No.303
タイトル
デリカテッセン
(原題)
DELICATESSEN
監督
ジャン=ピエール・ジュネ、マルク・キャロ
脚本
ジャン=ピエール・ジュネ、マルク・キャロ 他
キャスト
ドミニク・ピノン、マリー=ロール・ドゥーニャ他
制作
1991年/フランス
ジャンル ドラマ
上映時間
100分
評価
★★★★
<ストーリー>
核戦争終了15年後のパリ郊外。ポツンと残る精肉店兼アパート”デリカテッセン”は、ねずみでさえ絶滅した世界にもかかわらず大量の肉を売っていた。そこに新聞の求人欄を見たという青年ルイゾン(ドミニク・ピノン)が訪ねてくる。店主(ジャン・クロード・ドレフュス)は不気味な笑顔で彼を雇う.....。

<コメント>
日本でも大ヒットした『アメリ』(2001)や『ロスト・チルドレン』(1995)等、独特の映像美と世界観で知られるジャン=ピエール・ジュネ監督作品。主演はジュネ作品ではお馴染みのドミニク・ピノン。
さすが『エイリアン4』(1997)もまかされたジュネ監督。こだわりの映像が素晴らしいです。ダークでファンタジック、構図も大胆。設定は核戦争後の近未来なんですが、レトロでゴシックな感じの質感が面白い。この質感が好きな方は、それだけでわくわくしてしまう作品だと思います。

最初の”仕掛け”ともいえる、デリカテッセンの店主が奥さんを相手にベッドを軋ませる場面。エロチックでリズミカルで狂気が積み重なっていていいですね。この監督のユーモアのセンスはブラックでありながら意外と湿度は低い気がします。だから全体的に重くなりすぎないのではないでしょうか。

前半の”肉”を中心にした展開は話もわかりやすく、主演のドミニク・ピノンのキャラクターとうまくマッチしていて非常によくできています。店主の娘のおとぼけぶりもいい味。後半、地底人が出てきてサスペンス的要素(?)が絡んできて以降はさらに狂気を深める映像と世界観は面白いものの、若干ストーリーがわかりづらくなった部分も。それでもラストシーンは心が和む場面で、のこぎりの音色とともに印象に残ります。
ダークな映像は監督が狙ったものとはいえ、これはビデオのせいもあるのかも知れませんが、画面が必要以上に暗いところがあったのが気になりました。
映像的のみならずストーリー的にもぶっ飛んだところがあるので、そういう意味では観る人を選ぶと言うか、観る人によっては退屈に映るかもしれません。ただ、それだけジュネ監督の世界観が確立されているということでもあり、テリー・ギリアム監督の『未来世紀ブラジル』(1985)やティム・バートン監督の『バットマン』(1989)、コーエン兄弟の『バートン・フィンク』(1991)あたりが好きな方(まさに私ですが...)は文句なしに楽しめる作品だと思います。

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送