No.147
タイトル
コリーナ、コリーナ
(原題)
CORRINA, CORRINA
監督
ジェシー・ネルソン
キャスト
ウーピー・ゴールドバーグ、レイ・リオッタ、ティナ・マジョリーノ他
制作
1994年/アメリカ
ジャンル ドラマ
上映時間
113分
評価
★★★
<ストーリー>
母と死別し、父娘二人暮らしの家に家政婦として招かれたコリーナ(ウーピー・ゴールドバーグ)。父親は自分にも仕事にも自信を失い、また娘は、母の死後誰に対しても口を開かず沈黙を守っている状態だった。料理と運転が苦手で、失敗も多いコリーナだったが、彼女は持ち前の明るさで彼らの心を解きほぐしていく.....。

<コメント>
ウーピー・”ファンキー天使”・ゴールドバーグをメインに配し、妻を失った父親と娘が人情味あふれる家政婦によって悲しみから立ち直っていくプロセスを温かい視点で描いたドラマ。監督は最近『アイ・アム・サム』(2001)がヒットしたジェシー・ネルソン。
こういう役をやらせるとはずさないW・ゴールドバーグの演技がまず素晴らしい。大学を卒業してもまともに職につけず、とりあえず家政婦として働くしかないという、不遇の黒人女性役で、今回はテンションは低め。しかし、リズム感のあるコミカルな演技は健在で、見ているだけで楽しい気分になってきます。特に最初に登場する場面は、役どころに合っているかどうかは別にしても秀逸です。ファンキーですなー。そして彼女の演技もさることながら、何よりこのドラマの印象を決定付けているのが子役のティナ・マジョリーノ。彼女の演技はデビュー作であるルイス・マンドーキ監督の『男が女を愛するとき』(1994)でも光っていましたが、ここでの存在感は作品の質をも決定付けていますね。彼女とW・ゴールドバーグの掛け合いは楽しくもほろ苦く、胸が熱くなる場面が何度もあります。それでいてかわいいので繰り返し見ても飽きないでしょう。彼女がベッドで跳ねる様をスロー・モーションで描いた場面等は本当に天使のようです。
そう考えていくとレイ・リオッタのキャスティングに疑問が残るんですよねー。まあ、最近見た『ハンニバル』での印象が残っているというのもあるかもしれませんが(笑)。あの時代に人種の壁を越えて結婚まで決意できる人は相当に芯の強い人か純粋な人でないとなかなか難しいと思うんです。で、彼のキャラは、妻という支えを失い自分にも仕事にも自信をなくしてしまった男。それでいて無邪気なほどの一途さや純情さを持っているというわけでもない。これが残念なところですね。W・ゴールドバーグの立場も深読みすれば、教養がありながらも仕事に就けず、さらに白人男性を愛したことによって、同じ黒人からも冷たい扱いを受けるという二重の苦しみがあると思いますが、そのあたりも、結果的にはなし崩し的に処理されています。宗教に関する問題に関してもそうですね。突っ込み不足。まあ、そのあたりは本作における主眼ではないのかもしれませんが。しかし、そのせいで少し消化不良な感じがするのは否めないところ。やはりティナ・マジョリーノが家政婦に心を開いていくくだりが一番の見所でしょう。後、ナット・キング・コールやルイ・アームストロング等、スタンダードをふんだんに配した音楽は最高。これは悪いはずがない。ちなみに『コクーン』で1985年アカデミー賞助演男優賞に輝いたドン・アメチーがティナのおじいちゃん役で出ていますが、残念ながら本作が遺作となりました。

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