No.340
タイトル
キャリア・ガールズ
(原題)
CAREER GIRLS
監督
マイク・リー
脚本
マイク・リー
キャスト
カトリン・カートリッジ、リンダ・ステッドマン他
制作
1997年/イギリス
ジャンル ドラマ
上映時間
87分
評価
★★★★
<ストーリー>
学生時代、ルームメイトとして暮らした二人の女性、アニー(リンダ・ステッドマン)とハンナ(カトリン・カートリッジ)。そんな二人が6年ぶりに再会。しばしの間、一緒にロンドンで過ごすことになる。お互いにそれぞれの時間を過ごした二人。昔の楽しい思い出や出来事を振り返りながら懐かしい時間が過ぎていく.....。

<コメント>
カンヌ国際映画祭のパルムドールを受賞した『秘密と嘘』(1996年)のマイク・リー監督作品。学生時代にルームメイトだった二人の女性が6年ぶりに再会し、お互いの友情を確認しつつ、別れるまでを描いたドラマ。
登場するのは一見正反対の性格でありながら、共通点もあり、どちらかというと表裏一体の二人、アニーとハンナ。昔のエピソードを挟みながら進行していく演出ですが、すっきりしていてわかりやすく、現在との対比が上手く描かれていると思います。二人のキャラクターはそれぞれちょっとギリギリっぽさを感じさせますが、交わされる会話は魅力的。といっても、決して人生の機微にあふれ洗練されたものではなく、もっと病的でブラックでワイルドな言葉たち。しかし、背景に二人の信頼関係が見えるので、それらはとてもストレートで温かいまま私たちたちの心に届くのです。
そして、素晴らしいのは主役を演じる二人の演技。繊細さと強さを併せ持ったアニーを演じるリンダ・ステッドマン、情熱と優しさを感じさせるハンナを演じるカトリン・カートリッジ。最初は少しエキセントリックな雰囲気に身構えてしまいますが、話が進むにつれ二人のっキャラクターにだんだん引き込まれていきます。キュアーの音楽をバックに踊るシーンはつかの間の幸せとはいえ、本当に楽しそう。カトリン・カートリッジは『奇跡の海』(1996)や『ノー・マンズ・ランド』(2001)などでも個性的な演技を披露していましたが、2002年に病気で亡くなってしまいました。残念です。
他にも本作では女性の持つ繊細さ、優しさ、現実感覚などをバランスよく描いていると思います。そんな自分と、人生とまっすぐ向き合ってきた女性たちの生き様が私たちに伝えてくれるもの。それは”時と共に人間は成長していける”ということではないでしょうか。そしてそのためには、きっと自分ひとりだけではダメで、信頼できる”誰か”が必要なのだと思います。時間は短いけれど、いろんなことが凝縮された作品だと思います。

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