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タイトル
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ブレイブ |
(原題)
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THE BRAVE |
監督
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ジョニー・デップ |
脚本
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ジョニー・デップ他 |
キャスト
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ジョニー・デップ、エルピディア・カリーロ他 |
制作
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1997年/アメリカ |
ジャンル |
ドラマ |
上映時間
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123分 |
評価
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★★★ |
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【 ストーリー 】
仕事に就けず、貧困な生活にあえいでいるネイティヴ・アメリカンのラファエル(ジョニー・デップ)は、とある仕事の話を耳にする。その仕事を求めてラリー(マーシャル・ベル)という男をたずねると、謎の男マッカーシー(マーロン・ブランド)を紹介される。マッカーシーはラファエルに、大金が稼げる話を持ちかける ...。
【 コメント 】
ハリウッドを代表するイケメン俳優、ジョニー・デップが初監督に挑戦した作品。主演・脚本も自ら手がけています。脚本には兄のD.P.デップも参加。愛する家族のために極貧生活から脱け出そうともがくネイティヴ・アメリカンの若者の生き様を描いています。
アメリカの先住民を主題とした映画は『ダンス・ウィズ・ウルブズ』(1990)、『ラスト・オブ・モヒカン』(1992)、『デッドマン』(1996)、などなど、数え切れないほどありますが、中には先住民の持つ神秘的な行為や儀式、精神性といったモノを中心に語り過ぎるものもあります。本作では、主人公ラファエルは、現代に生きるネイティブ・アメリカンの若い世代として忠実に描かれているようです。なのでやたら大げさな儀式もしないし、スピリチュアルな言葉も吐かない。その一方で、登場する白人はみんなどこか壊れています。ラファエルはその境遇ゆえに犯罪も犯したことがありますし、服役していたこともあります。しかしながら、家族を思う気持ち、愛する人を思う気持ちでは、もっともまともな人間性を持っているのではないでしょうか。
全体的に説明的要素が少なく、前半は、ジョニー・デップの寡黙で静かな演技がちょっと物足りなく感じたのですが、終盤に進むにつれ、その眼に勇気と狂気が宿ってきたのはさすが。ベテラン俳優マーロン・ブランドの異様なキャラクター作りや音楽を手がけたイギー・ポップが突如登場して鶏肉に食らい付くシーンなど、ちょっと気の抜ける部分もありますが、それ以外は現代アメリカが忘れようとしている暗部を真正面から描いた硬派な作品です。さすがに、契約の対象がスナッフ・フィルムでなく、命がけのスタントなど、もう少し現実味を感じられる内容でも良かった気がしますが、それほどネイティブ・アメリカンが追い詰められているというメッセージを伝えたかったのかもしれません。後味は決して良くはありませんが、ずしっと心に響く作品を見たい方にはオススメ。
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