D-Movie(No.227)
タイトル
しあわせはどこに
(原題)
LE BONHEUR EST DANS LE PRE
監督
エチエンヌ・シャティリエ
キャスト
ミシェル・セロー、エディ・ミッチェル、サビーヌ・アゼマ他
制作
1995年/フランス
ジャンル ドラマ
上映時間
106分
評価
★★★
<ストーリー>
工場の経営問題と度重なる家庭問題に追い立てられたフランシス(ミシェル・セロー)は、ある日発作で倒れてしまう。一命を取り留めたのもつかの間、療養中の自宅で見ていた尋ね人の番組に彼そっくりの写真が映し出され、誤解がもとで家を追い出されるはめになる。そこで彼はその失踪人になりすますことを決意するが.....。

<コメント>
『人生は長く静かな河』(1988)や『ダニエルばあちゃん』(1990)等、派手さは無いながらも、シニカルでユーモアあふれる秀作を送り出しているエチエンヌ・シャティリエ監督の作品。
この監督の視点は自分の居場所ではないところに放り込まれた人間の生き方に注がれているような気がします。思えば人間は、というか現代人は歳を重ねるにつれ、さまざまな環境の変化に直面します。時には家の引越しかもしれませんし、時には仕事の転勤かもしれません。結婚もそうだし、子供が生まれることもそうでしょう。その時にどのような対応をとるかでその後の人生が左右されます。本作では社員と対立し自分の会社が傾きかけている社長が主人公。やることなすことうまくいかない男に突然訪れたのは全く別の家族と生活。それを受け入れることでやがて人生の歯車がかみ合い始めるのですが、世の中そうは上手くいかない。
最初は主人公も新しい生活の中で新しい自分を”演じて”いたのだと思いますが、やがて演技が演技でなくなってきます。要するに、私たちはみな、自分という登場人物を演じているだけではないかと思わせるところが面白いです。誰もが、”夫”や”妻”、”社長”、”会社員”、”友人”、”娘”、等々、相手との人間関係によってさまざまな役柄を演じているのに過ぎないのです。それが現代社会というものだし、人生というものなのかもしれません。
中盤以降、多少主人公にとって都合よく進んでいくきらいがありますが、それはそれで監督が「あまり難しく考えず、人生を楽しむことが大事なんだよ」、というメッセージを送ってくれているようです。主役のミシェル・セローもさることながら、エディ・ミッチェル演じる主人公の親友の軽さが全体のトーンを上手く支配していて、楽しく見られました。
しかし、いかに悪妻とは言え、自分の妻を寝取られて「助かった」なんて台詞をあっさりと吐かせるあたりがさすがフランス映画。こういうユーモアは好きですね。ちょっと疲れの見え始めた大人のための寓話。

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