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タイトル
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ブルー・イン・ザ・フェイス |
(原題)
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BLUE IN THE FACE |
監督
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ウェイン・ワン |
脚本
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ポール・オースター他 |
キャスト
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ハーヴェイ・カイテル、ルー・リード、マドンナ他 |
制作
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1995年/アメリカ |
ジャンル |
ドラマ |
上映時間
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85分 |
評価
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★★★★ |
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【 ストーリー 】
ブルックリンの街角にあるオーギー・レン(ハーヴェイ・カイテル)のタバコ屋は、一風変わった常連客たちが交わる場所。そんな中、店のオーナーであるヴィニー(ヴィクター・アーゴ)が、時代遅れのタバコ屋をたたんで健康食品の店にすると言い出す。オーギーはもとより、常連客たちは頑として反対するが.....。
【 コメント 】
現代アメリカを代表する作家、ポール・オースター原作の名作『スモーク』(1995)のキャスト&スタッフが、現場の雰囲気やセットをそのままに、アドリブを中心にして続編として作り上げた異色作。監督は同作と同じく香港出身の監督ウェイン・ワン。
『スモーク』でも重要な登場人物だったハーヴェイ・カイテル演じるオーギー・レンを中心に、人種・年齢などさまざまな人々が交錯する物語です。『スモーク』の続編という位置づけですし、シチュエーションもそのままなのですが、前作のようなストーリー展開やヒューマン・ドラマを期待された方はがっかりするかもしれません。一応オーギーのお店が閉店の危機に見舞われるという設定はありますが、まあそれはさほどたいした問題ではなく、結末もベタベタの展開。それよりも、ニューヨークというCITY、ブルックリンという街に集まってくる人々の想いと人生がコラージュされた映画と捉えたて楽しむべき作品でしょう。
そうやって向かい合うと、登場人物の一挙手一投足、ルー・リードのNYに対する冷めているけど熱い距離感、ジャンカルロ・エスポジートのだらだらと長くたわいも無い話、マイケル・J・フォックスの禅問答ならぬ”くそ”問答、すべての台詞、動き、表情が輝いて見えてきます。
他にもジム・ジャームッシュにマドンナと切れ味のよい変化球を思わせるキャスティング。いいですねえ。個人的には前作の主人公、ウィリアム・ハートのファンなので、彼にもちょっとでいいから顔を出して欲しかった...。
家族や友達は関係ない、”お前は何者だ?”というのが最も重要視される街。その反面、相手が何者であれ、大事なのは”今この場所に一緒にいる”ということ。本作は、そんな街の厳しさと人間同士のつながりの大切さを、リラックスした雰囲気に包みこんでおり、NYの、そしてアメリカに生きる人々のタフさと優しさがじんわりと画面からにじみ出てくる素敵な作品だと思います。
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