D-Movie(No.173)
タイトル
ブロブ
(原題)
THE BLOB
監督
チャック・ラッセル
キャスト
ケビン・ディロン、ショウニー・スミス、ドノヴァン・リーチ他
制作
1988年/アメリカ
ジャンル ホラー
上映時間
95分
評価
★★★
<ストーリー>
舞台はアメリカの田舎町アーバーヒル。ある日、町はずれの山中に隕石が落下。その中には、人間を体内に吸収し巨大化するアメーバ状の生物”ブロブ”が潜んでいた。ブロブは下水道に浸入して徐々に街へと広がっていく。それに気付いた不良少年ブライアン(ケビン・ディロン)は必死でブロブを退治しようと奔走するが.....。

<コメント>
私が敬愛する俳優、スティーブ・マックィーン唯一のSF作『マックィーンの人喰いアメーバの恐怖』(1958)のリメイク版。サブタイトルは”宇宙からの不明物体”。監督は、後に『マスク』(1994)や『イレイザー』(1996)を撮るチャック・ラッセル。脚本はラッセル本人と、これまた後に『ショーシャンクの空に』(1994/監督・脚本)や『プライベート・ライアン』(1998/脚本)等のヒット作を手がけるフランク・ダラボン。意外としっかりした布陣です。
内容的には、昔、一世を風靡した、”スライム”のようなゼリー状の物体が人間たちを襲うホラーもの。原作は特撮やCG等の技術が無い中で、さまざまな名場面を生み出したカルト的作品ですが、リメイクとなる本作では特撮(CGでないところがミソ!)を駆使して、正統派B級ホラーに仕上げています。ストーリー的には原作を踏襲。宇宙から突然やってきた(と言ってもその正体はひとひねり加えられているのですが)謎の物体が街を、人々を恐怖に陥れる物語。まあ、特撮自体は今見るとさほど驚くべき技術レベルではありませんし、衝撃的な映像描写があるわけでもないです。しかし、なし崩し的に訳のわからない物体に襲われるくだり、物体そのものがゼリー状でどこにでも入り込んでくるという設定が怖い。こういうホラー作品にはお約束とも言える、人災的要素も盛りこまれていて作品に厚みを加えています。そして、個人的に本作で注目したのは主人公ブライアンの行動規範。原作では、反逆児マックイーン演じる主人公が大人たちに信用されない若者の悲哀を演じていましたが、本作では街の大人たちだけでなく、国家組織すらも信じない。そこまで頑固に己を信じて活躍する芯の通りようは結構痛快です。ちょっと単純ですが、物事を鵜呑みにせず、疑うことの重要さが意外と心に響きました。
後、大体こういう作品では、登場人物の中で誰が生き残って誰が餌食になるのか見当がつくものですが、少なくとも序盤は良い意味で裏切られるところが面白いです。謎の物体の正体については、今ひとつ空振りに終わった感じですが、ラストはそれなりにひねりが効いていて良いですね。

ちなみに、もとネタ『マックィーンの人喰いアメーバの恐怖』もビデオ屋さんにあればぜひ借りて見てください。ホラー嫌いの方でも、レトロな感じが楽しめると思います。そう言えば、昔、テレビで『マックィーンの人喰いアメーバの恐怖』の続編『人食いアメーバの恐怖 NO.2』を見たことがあります。同じくスライム状のアメーバが襲ってくる内容で、小さい頃だったのでストーリー等は全然覚えていませんが、終盤のボーリング場での大パニックシーンとラストシーンだけは今でも覚えています。こういう作品は結構トラウマとして残るのでご注意。

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