D-Movie(No.474)
タイトル
バッドサンタ
(原題)
BAD SANTA
監督
テリー・ツワイゴフ
脚本
グレン・フィカーラ他
キャスト
ビリー・ボブ・ソーントン、ローレン・グレアム他
制作
2003年/アメリカ
ジャンル コメディ
上映時間
91分
評価
★★★

【 ストーリー 】
酒好きで女好きのウィリー(ビリー・ボブ・ソーントン)は、プロの金庫破り。クリスマス時期にサンタの格好をしてデパートで子供たち相手のイベントを行い、閉店後に妖精役の相棒(トニー・コックス)と共に金庫から金を盗む手口で犯行を繰り返していた。ある年、あまりの酒乱ぶりにデパートの担当者から目を付けられてしまう...。

【 コメント 】
サンタに仮装した酔いどれ金庫破りが繰り広げるドタバタ・コメディ。監督は『ゴーストワールド』(2001)のテリー・ツワイゴフ。主演のバッドサンタを演じるは『シンプル・プラン』(1998)、『チョコレート』(2001)のビリー・ボブ・ソーントン。製作総指揮には、『ノーカントリー』(2007)で同年のアカデミー賞をほとんど総なめにしたコーエン兄弟が担当。単なるコメディではなく、ひとひねりもふたひねりも効いたドラマとなっています。

クリスマスの季節にはかかせない、みんなの人気者であるはずのサンタが、子供たちとのイベントにやってきて、酔っ払うは物は壊すはやりたい放題。しかも、実はイベント会場のデパートの金庫を破ってお金を盗む泥棒だったからびっくり。このシチュエーションだけでも笑ってしまいます。またこの酔いどれサンタのウィリー役にキャスティングされているビリー・ボブ・ソーントンがハマりすぎ。コーエン兄弟の『バーバー』(2001)でもそうでしたが、この人はバイタリティのない中年男を演じさせると上手いですね。
前半は、そんなやる気のない泥棒のダメっぷりが満載。ちゃんとコメディとして笑えるんですが、ちょっと冗長に感じられるところが残念。ビリー・ボブ・ソーントンの演技に頼りすぎている気も。で、後半は、ウィリーが、ひょんなことから知り合ったいじめられっ子の男の子との交流を交え、ヒューマン・ドラマとしても盛り上がってきます。一応、ウィリーが男の子の味方をすることになる背景として、ウィリーと彼の父親との関係が語られますが、これがちょっと中途半端。これだけ酒好き、女好きのダメ男が更正するにはもっと深い話が欲しかったです。これならいっそのこと、もっと純粋にコメディとしてはじけた方が良かったかも。
コーエン兄弟監督作品に特有の、人間が本質的に持っている”切なさ”は伝わってこないものの、ローレン・グレアム、バーニー・マックなど、脇役がいい味を出しているところはさすが。クリスマスにお酒でも飲みながら観るには楽しい作品です。

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