D-Movie(No.207)
タイトル
ピラミッド
(原題)
THE AWAKENING
監督
マイク・ニューウェル
キャスト
チャールトン・ヘストン、ステファニー・ジンバリスト、スザンナ・ヨーク他
制作
1980年/イギリス、アメリカ
ジャンル ホラー
上映時間
107分
評価
★★
<ストーリー>
父の愛人を殺して父と通じ、エジプトに忌まわしい伝説を遺したため、歴史から名前を抹殺された王妃カーラ。その謎に挑む考古学者コーベック(チャールストン・ヘストン)は、愛人の女性助手とともにカーラの遺跡発掘に成功するが、そこから新しい謎に取り憑かれる。そんな折、身重の妻は月足らずの女の子を死産してしまうが.....。

<コメント>
名優アル・パチーノとジョニー・デップをうまく混ぜ合わせたサスペンス・ドラマ『フェイク』(1997)で話題を呼び、2000年には『トラフィック』、『ハイ・フィディリティ』等の傑作に製作総指揮として関わったマイク・ニューウェル監督の作品。ヒーロー俳優チャールストン・ヘストン(マイケル・ムーア監督の『ボウリング・フォー・コロンバイン』のおかげで、最近話題になりましたね)を主演に配し、カイロ・ニューヨーク・ロンドンを舞台に、古代エジプト王朝の王妃でありながら、歴史から名を消されたカーラ王妃の復活を題材にした作品です。
エジプトを舞台にした作品と言うと、最近では『ハムナプトラ/失われた砂漠の都 』(1999)が砂をモチーフにしたSFXを武器に人気を博しましたが、本作はアクション冒険ものではなくてホラー。オープニングに遺跡の発掘、そしてプロットとして現在の肉体を借りた古の魂の復活とくると、すわ『エクソシスト』(1973)+『オーメン』(1976)か、と興奮してしまう方もいらっしゃるでしょう。『エクソシスト』に比べると発掘してしまうものの規模が半端じゃない分期待も高まるわけですが、まあそううまいことはいきませんね。ちなみにチャールストン・ヘストンは『オーメン』の出演依頼を断ったことがあるそうです。でもこの作品を見ると、何でだろう、と。まあ、原作がアイルランド生まれの作家で『吸血鬼ドラキュラ』を生み出したブラム・ストーカーですから、ホラー・サスペンス・大作になると思ったのかなあ。内容的には確かにインディ・ジョーンズというよりは十戒よりですが。結果として残念なのは、そのあたりのテイストが中途半端になってしまったこと。ショッキングな場面は数回で、どちらかというと雰囲気で勝負という感じなのでホラー映画ファンには物足りないと思います。ではドラマとしてどうかと言うと、それなりにスケールの大きさは感じさせるものの、内容もそれなり。エジプトの文化に取り付かれた考古学者の数奇な運命の物語というところがもっと前面に出ていれば。チャールストン・ヘストンの演技も悪くないし、娘役のもキャスティング的には問題ないと思うんですが、まだまだみんなの狂気が足りなかったか。それにしてもやっぱり『オーメン』は怖かった...。
序盤の砂漠が舞台のところは映像的にも楽しめますし、随所に使われているカットバックの演出は良かったと思います。過去と現代が見えない糸で結ばれ、呼応している感じが伝わってきました。
科学全盛の世の中でもやはりふれてはいけない、開けてはいけない、そういうものの存在があるという事を知るとき、私たちは恐怖を感じながらも自らの人生や運命に何らかのつながりを感じるのかもしれません。

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