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タイトル
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エイミー |
(原題)
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AMY |
監督
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ナディア・タス |
脚本
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デヴィッド・パーカー |
キャスト
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アラーナ・デローマ、レイチェル・グリフィス他 |
制作
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1997年/オーストラリア |
ジャンル |
ドラマ |
上映時間
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103分 |
評価
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★★★★ |
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【 ストーリー 】
大好きなパパが死んでしまってから耳が聞こえなくなり、声も出なくなってしまったエイミー(アラーナ・デローマ)。何人もの専門医が診断しても原因は判らないまま。父親の死を目の当たりにするというトラウマに冒されたエイミーの心を癒したのは、隣に住む売れないミュージシャンのヘタクソな歌だった。.....。
<コメント>
ロックスターである父親が死んでしまってから言葉を発せなくなった女の子エイミーとその母親との交流を描いた作品。監督はナディア・タス。エイミーの母親を演じるのはレイチェル・グリフィス。『マイ・スウィート・シェフィールド』(1998)や『ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ』(1998)などで、一筋縄ではいかない芯の強さを感じさせる女性を熱演。さほどインパクトのある女優ではないと思うのですが、常にしっかり印象を残す演技は素晴らしいです。
本作は主人公の父親が有名なロックスターという設定で、ライブの場面がたくさん出てきます。かといってミュージカルかというとそうは思えない。不思議なバランスの作品です。
肝心のライブシーンは良くも悪くもオーストラリアっぽいというか、同じ80年代に流行ったリック・スプリングフィールドをちょっとオルタナ風味にした雰囲気。いやリック・スプリングフィールド好きでしたが。
脚本も良い人と悪い人がはっきりしていますし、エイミーが歌なら聞き取れることから、登場人物がよく歌うのですが、これも少しくすぐったい。引っ越し先で男の子と最初に歌う曲が「stand by your man」という激シブのカントリーだったりするのもバックグラウンドがよくわかりません。厳しく言えば、野暮ったい雰囲気の抜けない映画なのですが、それでも、中盤から後半に向かって、人々の善意が集約されていくと、お約束とはわかっていながらも涙が止まりません。意外に良く出来ています。
おそらく、”下町”の人情をベースにしていること、必要以上に重くないこと、エイミーが(やたら歌がうまいのに)成功を収めないこと、主題歌が切ないメロディーを持っていること、母親の物語としても成立していること、こういった要素がうまく重なり合ったのではないでしょうか。このバランスが受け入れられない方には、テレビドラマっぽく見えてしまうかもしれませんが、個人的にはオススメしたい作品です。
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