D-Movie(No.241)
タイトル
マイ・スウィート・シェフィールド
(原題)
AMONG GIANTS
監督
サム・ミラー
脚本
サイモン・ビューフォイ
キャスト
ピート・ポスルスウェイト、レイチェル・グリフィス他
制作
1984年/イギリス
ジャンル ドラマ
上映時間
92分
評価
★★★
<ストーリー>
北イングランド、シェフィールド。失業中のレイ(ピート・ポスルスウェイト)が見つけた仕事は鉄塔のペンキ塗り。息子ほど年が離れた相棒スティーブ(ジェームズ・ソーントン)を始め、お金は無くとも口が減らない野郎ばかりが集まったチームに紅一点の旅人ジェリー(レイチェル・グリフィス)が加わるが.....。

<コメント>
『フル・モンティ』(1997)でイングランド北部の町シェフィールドを舞台に、貧しいながらも力強く生きる人々を描いたサイモン・ビューフォイ脚本の作品。監督はサム・ミラー。この監督は本作が今のところ唯一の長編作品のようです。
シェフィールドはかつて鉄鋼で栄えた町。しかし、今では不況真っ只中。そんな中、24キロにもわたる鉄塔にペンキを塗るという過酷な仕事を請け負う男たち。保険も手当ても見込めない危険な仕事ですが、今の彼らに選択肢はありません。そしてそこに現れた紅一点の旅人の女。不況とはいえ、緑豊かなシェフィールドを舞台に、時に楽しさを、時に辛さを抱えながら日々を生きる人々を描いたドラマ。
鉄塔を塗るという設定もあって、とにかく上空からのショットが多用されているのですが、そこに映し出される街の美しさが素晴らしいです。個人的には鉄塔をペンキで塗るという設定がカッコいいと思います。いや、ちょっとなら楽しいけれど、実際こんなのやったら大変だし危険なんでしょうけどね。ペンキを塗ると言えば思いだすのが、ジャン・ジャック・ベネックス監督の『ベティ・ブルー』(1986)。冒頭で家のペンキを塗るよう命じられるのですが、これまた荒涼とした海岸沿いのだだっ広い場所に家が並んで立っている映像がかっこよかったです。
内容的には、街の男たちを仕切る中年男と通りすがりの女の愛の物語が中心となっていますが、ちょっと焦点が絞りきれていない感じですね。いろんなものが交錯し、いろんなことがうまくいかない、それでも人生は続くし、人生とはそういうものだということでしょうか。街に愛着を持ち、そこに根を下ろして生きる男と一箇所にとどまり得ない旅人である女。行く者と留まる者。いかに愛し合っても結局はかみ合わないもの同士ですが、例え一時であれ、人生を共有したことは事実。そしてそれはちゃんと思い出となり、お互いの人生の一部分となるのでしょう。それにしても、序盤のパブの中でのフリー・クライミング対決の場面、好きです。

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送