D-Movie(No.208)
タイトル
キルトに綴る愛
(原題)
HOW TO MAKE AN AMERICAN QUILT
監督
ジョスリン・ムーアハウス
キャスト
ウィノナ・ライダー、アン・バンクロフト、エレン・バースティン他
制作
1995年/アメリカ
ジャンル ドラマ
上映時間
117分
評価
★★★
<ストーリー>
26才の女性フィン(ウィノナ・ライダー)は、卒論のテーマに祖母たちが携わるキルト作りを選んだ。結婚という制度に疑問を持つフィンは、恋人サム(ダーモット・マルロニー)とも先に進めないでいたが、キルトを作る初老の女性たちの愛の体験を聞いて、自分の進むべき道を見出していく.....。

<コメント>
キルトを作るために集まった老いた女性たちと、その中に混じって論文を書く大学院生のフィン(ウィノナ・ライダー)。アメリカン・キルトをめぐり、それぞれ自分の過去を振り返り、ときに思い出に浸りながら、ときに学びながら、お互いを理解しあい、しっかりと生きていく女性たちの姿が優しい視点で描かれています。
撮影は『プライベート・ライアン』(1998)等を手がけたヤヌス・カミンスキー。情景をゆっくりとなぞり、広大な物語を上から眺めているような気分にさせるカメラワークが印象的ですね。度々出てくる過去の回想シーンの映像はどれも美しいです。
本作でキルトを作る女性たちの話を受け止め、見ている側にとってある種語り部的な役割を担うのが主役のウィノナ・ライダー。ウィノナ・ライダーというと『シザーハンズ』(1990)や『若草物語』(1994)等が思い浮かぶのですが、ここでの彼女も本当に初々しくてかわいいです。周りがお年を召した方ばかりということには関係なく(笑)。

ある視点に関して(本作では主に結婚)、いろんな人の話を聞くという事はとても意味のあることですし、得るものも多いと思いますが、最も大きな収穫は「人によってそれぞれなんだ」という事に気付くことではないかと思います。それぞれの人生に起こった出来事やその捉え方に良し悪しをつけることに意味は無く、それでも人生は続いていくし、その中で出来る限り幸せに生きていけるよう努力するしかないんだ、ということ。本作でも、個別のエピソードに対しての感じ方は人によって違うと思います。しかし、そういういろんな人生が、まさにキルトのように重なり合い、影響し合い、そうやって生活が、世界が出来上がっているのではないでしょうか。作中に出てくる「キルト作りにルールは無い」という言葉を引用して少し乱暴に言うならば、人生においてもその価値を決める基準やルールは無く、その人自身がどう思うかという事が一番大事なのではないかと思います。
登場する女性たちの性格やキャラクターが過去のエピソードに立脚しすぎている感も無きにしも非ずですが、それぞれのキャスティングは豪華で楽しめます。きっと、感情移入できる人物が見つかるはず。カラスの伝説の話がストーリー的に重要な位置を占めるあたりは、多少ファンタジックな気がしますが、寓話っぽいテイストが好きな方にはいいかも。ヤヌス・カミンスキーの映像はノスタルジックで美しく、ラストシーンをさらに盛り上げてくれます。女性の方には特にオススメ。
しかし、こういう女性主体の作品のときに語られる”男”像って本当にどうしようもないですねえ...。

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