D-Movie(No.455)
タイトル
アメリカン・ドリームズ
(原題)
AMERICAN DREAMZ
監督
ポール・ワイツ
脚本
ポール・ワイツ
キャスト
ヒュー・グラント、デニス・クエイド他
制作
2006年/アメリカ
ジャンル コメディ
上映時間
107分
評価
★★

【 ストーリー 】
視聴率しか考えないエゴイスト、マーティン・トゥイード(ヒュー・グラント)がホストを務める大人気のオーディション番組「アメリカン・ドリームズ」。今回の参加者は、勝利のためなら傷痍軍人の元カレをも利用するサリーにミュージカル好きのイラク人テロリストなどなど。そんな彼らの決勝戦に、ゲスト審査員として引きこもりの大統領が出演することに...。

【 コメント 】
『アバウト・ア・ボーイ』(2002)のポール・ワイツ監督が、同作に続き、優男ヒュー・グラントを主演に配して製作したブラック・コメディ。全米で高視聴率を誇る実際にある“アメリカン・アイドル”という公開オーディション番組がベースになっているそうです。番組のゲスト審査員として登場する引きこもりの大統領にデニス・クエイド、大統領を操る主席補佐官にウィレム・デフォーがキャスティングされています。

そのタイトルからオーディションの裏を暴いたドラマかと思いきや、いきなりテロリストが絡んでくるあたりが不穏な空気を感じさせます。さらに秘密裏に進行する大統領暗殺計画はいわゆる自爆テロ。これだけわかりやすい対立項が登場して、最後は何処に着地するのか、と違う意味でドキドキします。
とにかくどんな手を使ってでものし上がろうとする少女サリー、捏造何のその、の精神で大衆の同情をひこうとするエージェント、それに乗っかるサリーの母親、失恋→入隊→負傷という哀しき純心アメリカ人を体現するサリーの恋人、アメリカの文化に憧れるテロリスト、敵国で超リッチな生活を送る家族、引きこもりの大統領、すべてを隠蔽する補佐官などなど、毒の効いた登場人物がこれでもかと繰り出されます。自分の気持ちと行動が裏腹でも、とにかく夢に向かって進まなければ生きていけない不安な人々。ただ、コメディとしてはそれなりに面白いのですが、果たしてシチュエーションほどの”ブラック”さがあるかというとちょっと疑問。超不謹慎アニメ『サウスパーク』を送り出した国ですから、もっとやれるはず。主役のヒュー・グラントもやっぱり真面目。

それでも、自国のリーダーやその周辺人物をこうやってこき下ろせるユーモア精神には拍手を送りたくなりますね。ハリウッド映画って、自分の国の大統領を、地球存亡の危機に難しい決断を下す英雄か、そうでなければとんでもないおバカキャラか、結構両極端で描写するところがあって、そういう部分は結構好きだったりします。

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