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タイトル
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生きてこそ |
(原題)
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ALIVE |
監督
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フランク・マーシャル |
脚本
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ジョン・パトリック・シャンレー |
キャスト
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イーサン・ホーク、ジョン・マルコヴィッチ他 |
制作
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1993年/アメリカ |
ジャンル |
ドラマ |
上映時間
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126分 |
評価
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★★★ |
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【 ストーリー 】
1972年10月13日金曜日の午後、ウルグアイのラグビーチームの若者たちを乗せた旅客機がアンデス山脈に墜落した。乗客45名のうち約4分の1は墜落の際に死亡したが、残りは生存していた。初めの8日間、彼らはじっと救援を待つ。しかし、救助隊は現れず、ついにラジオは捜索が打ち切られたことを伝える.....。
【 コメント 】
1975年に製作されたアルバロ・J・コバセビッチ監督のドキュメンタリー作品『人肉で生き残った16人の若者/アンデスの聖餐』をハリウッドのフランク・マーシャル監督がリメイクしたもの。ベースとなっているのは、南米ウルグアイの学生ラグビーチームら45名を乗せた旅客機がアンデス山脈に墜落した事故。発生から72日後に16人が無事生還したそうですが、その間の過酷な状況を克明に描くことによって、人間の尊厳や生きる意味を問いかけてきます。
人肉を食べるというテーマを描いた映画はいろいろありますが、やはり実話がベースになっていると説得力があります。墜落シーンや遭難中のシーンは、ご遺族の方への配慮は大丈夫なのかと心配してしまうほどリアルです。特に墜落シーンはもしこれが事実ならいろんな意味で奇跡ですね。登場人物が多いですが、とりあえずイーサン・ホークの抑えた演技はマル。
空腹時に目の前に食べ物を出されて食べないのは人間だけ、という話を聞いたことがあります。人間はそのときのシチュエーションによって食べる・食べないを判断する場合が多いと。例えば、これを食べると明日からの食料に困るから少し残しておこう、とか、ここで食事をおごられると後々の関係が不利になるから食べるのをやめよう、などなど。お腹を満たしたいという欲望以外の要素や条件からいろんな判断を行います。一方、動物は基本的に本能で動きますから、そんなことは考えないでしょう。そういう意味でも、本作は非常に人間らしいテーマを描いているといえるのではないでしょうか。
ぎりぎりまで追い詰められながら希望を失わず、最後まで生き延びた人々の感動のドラマと言えますが、冒頭でジョン・マルコビッチが語る、「自分がどういう行動をとるかは極限状態にならないとわからない」という言葉、本作の映画としてのテーマ、人間の本質がこの言葉に集約されている気がします。
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