D-Movie(No.372)
タイトル
アダプテーション
(原題)
ADAPTATION.
監督
スパイク・ジョーンズ
脚本
チャーリー・カウフマン他
キャスト
ニコラス・ケイジ、メリル・ストリープ他
制作
2002年/アメリカ
ジャンル ドラマ
上映時間
115分
評価
★★★★

【 ストーリー 】
映画『マルコヴィッチの穴』で大成功した脚本家チャーリー(ニコラス・ケイジ)は、新しい脚本に取り掛かるがアイデアがまとまらない。一方脚本家養成セミナーに通う双子の弟ドナルドが書いた脚本がハリウッドで大好評。あせったチャーリーは作品の本質を探り出そうと原作者スーザンを付け回す。そこで彼女の驚くべき裏の顔を知ってしまう.....。

【 コメント 】
とにかく人を食った衝撃作『マルコヴィッチの穴』(1999)で映画界にデビューを果たしたスパイク・ジョーンズ監督作品。同じく同作で脚本家としてデビューしたチャーリ・カウフマンが脚本を担当。自分自身を主人公に、新しい脚本のアイデアがまとまらないという、これまた奇想天外なストーリーが柱をなす怪作です。

主演はニコラス・ケイジで、双子の脚本家を一人二役で演じています。彼が脚本を依頼された原作を書いた女性を演じるのがメリル・ストリープ。さらに渋い演技を見せるクリス・クーパーにジョン・マルコヴィッチ&ジョン・キューザック&キャサリン・キーナーらの『マルコヴィッチの穴』の俳優陣も出演(と言えるのかな?)という、なかなか豪華はキャスティング。スパイク・ジョーンズファンはたまりませんね。ニコラス・ケイジもハゲ・デブを前面に押し出した熱演ですが、メリル・ストリープの堕ちっぷりもすごい。

脚本家の苦悩と原作者の私生活が交差するひねりの効いた演出や、観客をぐっとひきつけるインパクトのある映像、ニコラス・ケイジが画面に二人出てくる違和感(笑)などで、前半はさほど山場が無いのに目が離せません。そして後半は人間の欲や業や愛が渦巻く怒涛の展開に。脚本家、原作者、蘭に魅せられた男、それぞれに人生の悲哀を感じさせ、感動を誘う場面もあるのですが、これだけ代償が大きいとちょっと引いてしまいます。
同じく脚本家(というか劇作家ですが)が苦悩する映画というとこれまた兄弟で活躍しているコーエン兄弟の『バートン・フィンク』(1991)が思い浮かびますが、人間の愚かさを描く粘着性ではこちらが一枚上手の気がします。ちょっと本作はリアルにまとめようとしすぎたきらいがありますね。

『マルコヴィッチの穴』を見たことがあるかどうか、そして好きかどうかによって評価は分かれると思いますが、個人的にはオススメ。

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