D-Movie(No.264)
タイトル
アシッド・ハウス
(原題)
THE ACID HOUSE
監督
ポール・マクギガン
脚本
アーヴィン・ウェルシュ
キャスト
ユエン・ブレンナー、ケビン・マクキッド、スティーヴン・マッコール他
制作
1998年/イギリス
ジャンル ドラマ
上映時間
111分
評価
★★
<ストーリー>
第1話。人生を深く考えず、ただひたすらサッカーチームでプレイする血気盛んな若者ボブ・コイル。ある日突然、チームを解雇され、親には追い出され、恋人には捨てられる。一瞬にしてすべてを失ったボブ。いつものパブでやけ酒をあおっていると目の前に冴えない男が現れた。その男は自分のことを”神”だと名乗る.....。

<コメント>
イギリスの若者たちの押しつぶされた日常を描いて大ヒットした『トレインスポッティング』(1996)の原作者、アーヴィン・ウェルシュ原作・脚本を手がけたドラッグ・ムービー第2弾(というほど関連はありませんが)。監督は『ギャングスター・ナンバー1』(2000)のポール・マクギガン。

本作は「The Granton Star Cause(ザ・グラントンスターの悲劇)」「A Soft Touch(カモ)」「The Acid House(アシッドハウス)」という3つの異なるエピソードで構成されています。共通しているのは、どれもイギリスの労働者階級の若者たちの悲哀を描いているということ。でもってビールとサッカーが若者たちの生活の大部分ということ。どの作品も鬱屈したパワーは伝わってきますが救いはないです。
ストーリー的には1本目「グラントンスターの悲劇」が面白かったですね。とあるサッカーチームに所属する若者がとにかく悲劇に見舞われ続ける内容ですが、やたら悲惨なだけでなく、どこかシュールでどこか寓話的要素もあって楽しめました。ただ、残念ながらそれ以降は内容的にもありがちで、なんてことはないですね。それなりに笑えますし、面白いキャラクターも登場しますが、イギリスらしいブラック・ユーモアというほどの毒はあまり感じられませんでした。スタイリッシュと謳い文句のある映像も、全体的にどこか狙いすぎでチープな感じ。映画というよりミュージックビデオに近いかも。
しかしながら、プライマル・スクリームの「Insect Royalty」から始まる音楽の選曲はなかなか面白いです。それなりにストーリーにあわせた内容の楽曲が用意されているので、ザ・パステルズ、べス・オートン、ベル&セバスチャン(『スロー・グラフティ』名曲ですねえ)等々、ハチャメチャで渋い選曲。サントラ盤にはすべて収められているわけではないようですが、個人的に好きな音楽が結構入ってます。特に新鮮味があるわけではないですが、万華鏡的BGMとして今でもサントラはたまに聴きますね。若者受けしそうな内容と映像、そしてコンピレーション的サントラのコラボレーション。良くも悪くもひとつのパターンですね。 

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