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No.30 |
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タイトル
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マスク |
(原題)
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MASK |
監督
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ピーター・ボグダノヴィッチ |
制作
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1984年/アメリカ |
ジャンル |
ドラマ |
上映時間
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120分 |
評価
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★★ |
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<ストーリー>
頭蓋骨形成異常という
2200万人に1人という奇病のため、顔が肥大化し生命の危険にも晒される少年ロッキー(エリック・ストルツ)。しかし、彼の母親デニス(シェール)や周りの友人達は彼を特別視せずごく普通の少年として接していた。ある日彼は学校の勧めで盲人達のキャンプに参加することになり、そこで1人の女性ダイアナ(ローラ・ダーン)と恋に落ちるが.........。
<コメント>
『ラスト・ショー』(1971)や『ペーパー・ムーン』(テイタム・オニール主演(1973))で有名なピーター・ボグダノヴィッチ監督の作品です。頭蓋骨形成異常で通称
”ライオン病”と呼ばれる特殊な病気で顔が肥大化し、余命も半年と診断されながらもたくましく生きる少年と母親の物語。この病気のためにわずか16歳でこの世を去った少年の実話に基づく物語です。
こういった難病を扱った作品には珍しく、主人公やそれに関わる人々もかなり明るいトーンで描かれています。主人公はその外観から学校でいじめも受けますが、飛び抜けた学力と持ち前の明るさで、いとも簡単に逆境をはねのけます。もちろん、それはまず彼を普通の一人の人間として愛し育てる母親の強さがあり、それから彼を特別視しない友人や周りの人々の優しさがあってこそのことだというのは伝わるのですが......。2200人に一人の奇病−ずば抜けて明晰な頭脳、奇病ゆえのいじめ−全く気にせずに接する周囲の人々、この辺の描き方のバランスをどう受け取るかが判断の分かれ目ではないでしょうか。
個人的には前半はなかなかほのぼのと楽しく見ることができました。「果たして自分は彼らのように主人公に接することが出来るか」、「周りの人々(=母親の友人等)は社会からはみ出した人間ゆえに主人公に優しくなれるのか」等いろいろ考えさせられることはありますし、何より母親を演じるシェールの演技が素晴らしく、親と子の絆の深さや美しさを感じはしました。しかし、親と子の間の愛や絆を描くのであれば、途中から特に息子が奇病である必然性が感じられず、ちょっと興ざめでした。息子と恋人との関係の描写も中途半端に終わったように思います。
もともと実話がベースになっているので、過度にリアリティを求める必要はありませんし、単純に母と子の物語としてみればまた違うかもしれませんが。
なお、この作品でシェールはカンヌ国際映画祭の女優賞を受賞しています。 |
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