No.24
タイトル
ショコラ
(原題)
CHOCOLAT
監督
クレール・ドニ
制作
1988年/フランス、西ドイツ
ジャンル ドラマ
上映時間
95分
評価
★★★
<ストーリー>
1950年末期、フランス統治下のカメルーン。行政官のマルク(フランソワ・クリュゼ)は妻のエメ(ジュリア・ボスキ)と娘のフランス(セシル・デュカス)とともに、北カメルーンに監督官として赴任する。大自然が広がる黒人達の土地で、マルク一家と黒人の使用人達との生活が始まった.........。


<コメント>
『ショコラ』といえば最近ラッセ・ハルストレム監督の同名作品が注目を浴びましたが、こちらはパリの夜と人々を描いた『パリ、18区、夜』(1994)でスタイリッシュなセンスを披露したクレール・ドニ監督の長編デビュー作です。

フランス統治下のカメルーンの、ある地域を監督するために赴任した白人一家とその使用人の黒人達との交流を描いたヒューマン・ドラマです。監督自身も幼いころにアフリカで過ごした経験があるので、自身の自伝的作品と言えるかもしれません。脚本にも監督自身、名前を連ねています(とあるインタビューで「見かけほど自伝的ではない」と自ら語っていましたが)。
実際、舞台は独立前のカメルーンで、黒人達はそのほとんどが白人の使用人として生活しており、中には人種差別を描写する場面も少なくはないのですが、全体的にはアフリカとその原住民に対する優しい視点で描かれていると思います。

白人の訪問客を始めとする”大人たち”は総じて差別意識が強いのですが、娘の父はさほどでもなく(それで妻には”お人好し”と言われてしまいますが)、娘のフランスは使用人プロテ(イザアック・ド・バンコレ)と何とも奇妙なコンビネーションを演じます。
このプロテ役の俳優は虐げられた状況下でも芯の強さを秘めて生きる黒人の姿を微妙な演技で見事に演じていると思います。マルク夫人には好意を寄せていますが実らない恋であることを自覚してか言葉にはしません。また娘のフランスとは仲がよく、一緒にいる時間も長いのですが、必要以上の言葉を交わさず、どちらかというと仕草でコミュニケーションを行います。この辺りの監督の演出は見事だと思います。多くの言葉を重ねられるよりもいろんなことがしっかり伝わってきます。また大人になって故郷を訪ねるフランス役を演じるミレイユ・ペリエも静かながら魅力的でした。

アフリカの大自然をダイナミックに捕らえた美しいショットも多く、映像的にも優れた作品だと思います。

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