D-Movie(No.550)

・邦題:『ヴェロニカ・ゲリン』
・原題:『VERONICA GUERIN』
・監督:ジョエル・シューマカー
・脚本:キャロル・ドイル他
・キャスト:ケイト・ブランシェット、ジェラルド・マクソーリー他
・制作:2003年/アメリカ
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:98分
・評価:★★★


【 コメント 】
アイルランドでドラッグ問題を徹底的に追及し大きな成果を残したジャーナリスト、ヴェロニカ・ゲリンの半生を描いた物語。ヴェロニカを演じるのはケイト・ブランシェット。監督は『セント・エルモス・ファイアー』(1985)や『オペラ座の怪人』(2004)を手がけたジョエル・シューマカー。

ケイト・ブランシェット演じるヴェロニカ・ゲリンは実在の女性ジャーナリストで地元の新聞紙の記者として、さまざまな犯罪を追い続ける中で、特に子供たちがドラッグディーラーたちの餌食になっている状況を改善しようと命を懸けて追い続けた人です。映画は一応事実に基づいて作られているようですが、多少の脚本はあるようです。また、監督はあまり観客がヴェロニカに感情移入する前に、この物語が悲劇であること(=彼女が最終的にはドラッグ・ディーラーに殺されてしまうこと)を知らせるために、この部分のエピソードを冒頭に持ってきたそうです。そういう意味では、彼女の悲劇の部分だけで無く、ジャーナリストとしての活動が中心になっているのは、映画としても論点がずれず、成功していると思います。そのプロセスも大変壮絶で、時に強引過ぎるほどの手法もとりますが、結果的には彼女の死によって、麻薬撲滅の機運が高まり、法改正も行われるに至ったというのもうなづけます。ヴェロニカの強引さに多少辟易するところもありますが、それはケイト・ブランシェットの演技力による部分もあると思います。監督は最初から彼女にオファーを出したようで、イメージとしても似た部分があるのかもしれません。
ただ、ヴェロニカの周辺人物の描き方が家族・警察ともに平坦なのが残念です。家族の命も狙われ、警察以上に踏み込んで調査する中で、彼らがどのような心情だったのかもぜひ見たかった部分です。
ちなみにDVDにはヴェロニカがジャーナリストの賞を受賞したときの映像と、それをケイト・ブランシェットが演じた映像も含まれています。本編ではカットになったようですが。

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