D-Movie(No.616)

・邦題:『マイレージ、マイライフ』
・原題:『UP IN THE AIR』
・監督:ジェイソン・ライトマン
・脚本:ジェイソン・ライトマン他
・キャスト:ジョージ・クルーニー、ヴェラ・ファーミガ他
・制作:2009年/アメリカ
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:109分
・評価:★★★


【 コメント 】
長編監督デビュー作『サンキュー・スモーキング』(2006)で話題を呼んだ、ジェイソン・ライトマン監督が、ウォルター・カーンの同名小説を基に、独身の人生を軽やかに生きる一人の男の苦悩と再生を描いたヒューマン・ドラマ。主演は『オーシャンズ11』(2002)のジョージ・クルーニー、共演に『ディパーテッド』(2006)のヴェラ・ファミーガらがキャスティング。

主人公ライアン・ビンガムは、全世界を飛び回って企業のリストラ対象者に解雇を通告する“リストラ宣告人”。きつい仕事とは裏腹に、”荷物を背負わない”ライフスタイルを貫き、結婚もせず、年間322日間もの出張をこなし、飛行機のマイレージを1000万マイル貯めることが人生の目標。とろこがそんな彼の前に現れた二人の女。一人は行きずりの女で自分とまったく同じ価値観のアレックス、もう一人は同じ会社の新人ナタリーで、ネット上での解雇通告を提案する、彼とはまったく異なる価値観の現代っ子。価値観のある人間と合わない人間、どちらとも深く付き合ううちにライアンの心に変化が訪れるが...という物語。

同年のゴールデングローブ賞で脚本賞を受賞、アカデミー賞でも5部門にノミネートされた作品。仕事をきっちりこなし、家を持たず、面倒くさい人間関係もなし。仕事の途中に行きずりの恋愛もあり。そんな現代男性の見本のような男をジョージ・クルーニーが好演。センスの感じられる映像と選曲で全体的にスタイリッシュな作品となっています。自分だけの人生を謳歌する男の切なさはしっかり伝わってくるのですが、主人公ライアンの心変わりが結構唐突な感じで、ただ単に年をとっただけ?という感じも...。ライアンに影響を与える女性二人も、キャリア・ウーマンのアレックスはまだしも、ナタリーはこれまたライアンの心に影響を与えるためだけに登場したようなキャラクター。このあたりがちょっと残念。余韻を残すラストも良いですが、業を背負うか心を入れ替えるか、中年男のいさぎよい決断を見たかった気がします。

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