D-Movie(No.609)

・邦題:『ツォツィ』
・原題:『TSOTSI』
・監督:ギャヴィン・フッド
・脚本:ギャヴィン・フッド
・キャスト:プレスリー・チュエニヤハエ、テリー・フェト他
・制作:2005年/南アフリカ、イギリス
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:95分
・評価:★★★★


【 コメント 】
2006年のアカデミー外国語映画賞に輝いた衝撃のバイオレンス・ドラマ。監督は本作で成功した後、『ウルヴァリン:X−MEN ZERO』(2009)の監督に抜擢される南アフリカ出身のギャヴィン・フッド。南アフリカのスラム街で暴力と犯罪に生きる一人の若者が、さまざまな事件や出会いを通して、自分の人生に生きる意味を見つける物語。

舞台は南アフリカ、ヨハネスブルクの旧黒人居住区ソウェトのスラム街。アパルトヘイト廃止から10数年経っても差別や格差社会はなくならず、黒人の中にも大きな格差が生まれていた。その中で、誰にも本名を明かさず、”不良”を意味する“ツォツィ”と名乗る一人の青年がいた。彼と仲間たちは毎日のように暴力や窃盗を繰り返し、時には殺人さえいとわない無軌道な日々を送っていた。そんなある日、ツォツィはとある家の前で女性が運転するBMWを見つけ、持っていた銃で女性を脅して車を奪う。追いすがる女性に銃弾を浴びせ、そのまま奪った車で逃走するツォツィ。ところが、後部座席には生後数ヵ月の赤ん坊が乗っていた。驚いたツォツィは、車を乗り捨てて、とりあえず赤ん坊を抱き上げて家に連れて帰る...というストーリー。

本作は今回が初見でした。というのも、宣伝に使われていたビジュアルが、若者が赤ん坊を高々と持ち上げる場面で、個人的にはこれがなんとなく、命の素晴らしさ、尊さを押し付けがましく表現したものに感じられてしまったからです。ところが内容は見てびっくり。日本でもR−15に指定されるほどのバイオレンス。しかし、だからこそ、主人公ツォツィが赤ん坊をはじめさまざまな人間との出会いを通して、愛を学び、生きる意味を見出していくプロセスが、一縷の希望を伴って見事に浮き上がってきます。途中のバイオレンスシーンは衝撃的ですし、南アフリカの困難な現状もリアルに表現されていますが、ラストは未来につなげるかのようにある種の穏やかさを持たせたあたりも秀逸。主人公ツォツィを演じる俳優の目の微妙な演技が素晴らしいです。

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