D-Movie(No.499)

・邦題:『セロニアス・モンク/ストレート・ノー・チェイサー』
・原題:『THELONIOUS MONK STRAIGHT NO CHASER』
・監督:シャーロット・ズウェリン
・脚本:−
・キャスト:セロニアス・モンク、フィル・ウッズ他
・公開/制作:1988年/アメリカ
・ジャンル:ドキュメンタリー
・上映時間:89分
・評価:★★★★


【 ストーリー 】
1967年に、自身のオクテット(八重奏団)を率いてヨーロッパでコンサートツアーを行ったセロニアス・モンク。その時の彼のステージでの演奏模様や、空港やホテルなど、オフステージでのくつろいだ姿、マネージャーや共演者、後援者など、生前の彼をよく知る関係者たちのインタビューなどで構成されたドキュメンタリー。

【 コメント 】
その独特の演奏スタイルと数々の奇行によって、異端児扱いされながらも、熱烈なファンを持つジャズ・ピアニスト、セロニアス・モンク。帝王マイルス・デイビスが、「俺のソロの時はバックでピアノを弾かないでくれ」と言った話は有名。その後この二人は二度と共演しなかったそうです(かといって不仲でもなかったようですが)。そんな彼のライブ映像やレコーディングの様子、マネージャーや共演者、息子などへのインタビューをまとめ、孤高のピアニスト、セロニアス・モンクの一生を収めたドキュメンタリー作品。監督はロック・ドキュメンタリー『ローリング・ストーンズ・イン・ギミー・シェルター』(1970)を撮ったシャーロット・ズウェリン。製作総指揮は業界きってのジャズ通クリント・イーストウッドが手がけています。

時にハンカチを持ったまま、時に煙草を鍵盤に置き、何かにとり付かれた様にピアノを弾くモンク。個人的にはジャズのジャンルではピアノはあまり聴かないのですが、どちらかというと”あっちの世界”に行ってしまったようなフリーなものが結構好きなので、モンクはよく聞きました。レコードジャケットもかっこいいのが多いんですよね。しかしながら、あらためて映像を見て思うのは、モンクがいかに変人だったか、ではなく、多くの天才がそうであるように、いかに純粋だったかということ。オフの時のモンクは本当に子供のようです。さらに、これも多くの天才と同じく、家族が全身全霊で支えていたと言うこと。息子のインタビューの一言一言が重い...。
それにしてもモダン・ジャズのシーンで活躍したミュージシャンは、本当に個性や人間性がそのまま演奏に出ていて面白い。ジャズ・ドキュメンタリーの金字塔『真夏の夜のジャズ』(1958)におけるモンクの「Blue Monk」も相当かっこよかったですが、本作でも彼の演奏がたっぷり見られます。最後の葬儀のシーンが切ないですが、まさにチェイサー無しで、モンクの軌跡に酔いしれる作品です。

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