D-Movie(No.522)

・邦題:『ザ・カー』
・原題:『THE CAR』
・監督:エリオット・シルヴァースタイン
・脚本:デニス・シュリアック他
・キャスト:ジェームズ・ブローリン、キャスリーン・ロイド他
・制作:1977年/アメリカ
・ジャンル:ホラー
・上映時間:99分
・評価:★★★


【 ストーリー 】
舞台はアメリカ西部にあるサンタイネスという小さな町の郊外。黒い”車”がアベックやヒッチハイカーをひき殺したという目撃情報が相次ぐ。連絡をうけた保安官ウェード(ジェームズ・ブローリン)は、仲間とともに調査に乗り出すが、目撃者より運転者はいないという情報を得る。不思議に思いながらも捜査を続けていく中、再び音楽隊のパレードの練習場にその車が現れる...。

【 コメント 】
無人の”車”が次々と人を襲うという”殺人カー”ドラマの先駆け的作品です。監督はエリオット・シルヴァースタイン。主役を演じるのはジェームズ・ブローリン。
『ジョーズ』と『激突!』のいいとこ取りをした作品、とのふれこみもありますが、確かにカメラワークや音響などにそれらの影響は見て取れるものの、さすがにこの2作と比べるとかわいそうという感じ。それでも、異界の何かが乗り移ったという擬人化はそれなりに成功していて、一風変わったホラー作品としては楽しめると思います。

殺人カーが”墓地に入れない”とか、”ドアの取っ手がない”、”銃弾がきかない”などの現象から、悪霊的なものが乗り移ったということは予想されるものの(もちろんラストシーンからも)、そういう説明は一切されないところがある種の潔さを感じさせます。ど派手なアクションシーンはありませんが、殺人カーが人々を襲う場面はきっちり恐怖が演出されています。
人間に罵倒されて怒ったり、やたらクラクションを鳴らしているあたりが、必要以上に人間臭い気がして今ひとつですし、単なるホラーものにとどまらず、警察内部の人間関係や、主人公の女性・家族関係もサブストーリーとして絡めようとしているところも成功しているとはいえない気がします。

”殺人カー”の物語というと、どうしてもスティーヴン・キング原作、ジョン・カーペンター監督の『クリスティーン』(1983)と比べてしまいますが、車にもっと凶暴な人格を持たせ、情け容赦なく殺人を重ねていく同作の方が印象が強くなってしまいます。本作の方が丁寧に作られている気がするんですけどね。登場人物が高校生だった『クリスティーン』に比べると、本作では主役の保安官役のジェームズ・ブローリンの必要以上のマッチョ加減が余計な気がしますし、女性でありながら殺人カーを徹底的に”口撃”するキャスリーン・ロイドも強すぎるのかも。遠方から車の砂煙が見えるショット、結構怖いと思うんですが。

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