D-Movie(No.578)

・邦題:『サンキュー・スモーキング』
・原題:『THANK YOU FOR SMOKING』
・監督:ジェイソン・ライトマン
・脚本:ジェイソン・ライトマン
・キャスト:アーロン・エッカート、マリア・ベロ他
・制作:2006年/アメリカ
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:93分
・評価:★★★


【 コメント 】
『ゴーストバスターズ』シリーズなどを手がけた映画監督アイヴァン・ライトマンの息子ジェイソン・ライトマン監督作品。この人はもともと俳優として活動していましたが、本作で監督として長編デビュー。インディペンデント・スピリット賞の脚本賞を受賞しました。その後もジョージ・クルーニー主演の『マイレージ、マイライフ』が好評を得るなど、監督作品は少ないものの、親の七光りだけでなく、なかなか実力のある人です。
本作の原作はクリストファー・バックリーの小説『ニコチン・ウォーズ』。タバコメーカーによって作られた、タバコ研究所のロビイストであるニック(アーロン・エッカート)が、健康や環境上の問題から社会の風当たりの厳しい”タバコ”という商品と企業を守るため、持ち前の話術と交渉術で奮闘する物語です。

法廷ものや本作のような交渉ものはやはりアメリカ映画が本家という感じがします。主人公ニックの言葉はどこか場当たり的でその場しのぎのようにも思いますが、それなりに説得力があるところが面白い。また、ところどころで出てくるユーモアもセンスを感じさせます。敵役の上院議員を演じるウィリアム・H・メイシーニックもいい味出してますねえ。ニックがタバコに思い入れを持っているのではなく、あくまでもビジネス=家族のため?として行動しているところもいい意味でサラリーマンの悲哀を感じさせます。上司との微妙な関係も見どころ。単なるコンゲームのような展開ではなく、息子や妻との関係を含め、人間ドラマとしても成立しているところも好感が持てます。

ただ、全体的にこれといった大きな山場が無く、またタバコがテーマの割には、登場人物がタバコを吸うシーンはほとんど出てこないなど(タバコの宣伝と思われないため?)、舌戦が繰り広げられる割に毒が控えめな感じがして残念。安心して見られますが、これならタバコでなくてもよかったかも。でも”銃”だとさすがに笑えないでしょうか。

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