D-Movie(No.660)

・邦題:『テイク・シェルター』
・原題:『TAKE SHELTER』
・監督:ジェフ・ニコルズ
・脚本:ジェフ・ニコルズ
・キャスト: マイケル・シャノン、ジェシカ・チャステイン他
・制作:2011年/アメリカ
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:120分
・評価:★★★★


【 コメント 】
世紀末を引き起こす竜巻の恐怖に囚われ、周囲の困惑をよそに愛する家族を守るシェルター作りに取り憑かれていく男の姿を描いた心理サスペンス・ドラマ。主演は『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』のマイケル・シャノン、彼の妻を演じるのは、共演『ツリー・オブ・ライフ』(2011)のジェシカ・チャステイン。監督は本作が長編2作目の新鋭のジェフ・ニコルズ。

小さな田舎町の工事現場で働くカーティスは、優しい妻と耳の不自由な娘とともに幸せな日々を送っていた。ところが、突然、事故や災害にあう悪夢にうなされるようになる。現実のような悪夢の連続に、それを実際に天変地異が起こる予兆と信じた彼は、避難用のシェルターを作るべく決意する。とりつかれたようにシェルター作りに没頭していく彼に、家族や同僚も戸惑いを見せる。自分の行動が理解されない状況の中で、カーティス自身も夢と現実の間をさまよい、不安を覚えるが、それでも彼のシェルター作りは止まらず、運命の日がやってくる...という物語。

大災害の悪夢の連続に、何かしらの予兆を感じ、その予兆にとらわれた男が辿る数奇な運命を描いた物語。主役のマイケル・シャノンがこの主人公のカーティス役を完璧に演じています。自分の考えにとらわれ、地に足がついていない感じがリアル。こういう展開の作品の場合、カーティスの考えが妄想なのかどうかというところがポイントなわけですが、本作では、カーティスと家族とのドラマが非常に丁寧に描かれていて、妄想云々は抜きにしても、人間ドラマとしての深みが感じられます。妻役のジェシカ・チャステインもいいですね。
ラストシーンもそれなりにどんでん返しがあるのですが、単純なカタルシスだけでなく、さまざまな感情が沸き起こるようになっているところがすごいです。単なる妄想〜世紀末系のドラマではなく、非常に見ごたえのある作品となっています。ジェフ・ニコルズ監督は3作目『Mud』(2012年)が日本未公開なのが残念ですが、今後も期待できそうです。

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