D-Movie(WEEKLY)

・邦題:『スイミング・プール』
・原題:『SWIMMING POOL』
・監督:フランソワ・オゾン
・脚本:フランソワ・オゾン他
・キャスト:シャーロット・ランプリング、リュディヴィーヌ・サニエ他
・制作:2003年/フランス、イギリス
・ジャンル:サスペンス
・上映時間:102分
・評価:★★★


【 コメント 】
ベテランの女流ミステリー作家と若くて美しい女性の奇妙な共同生活の中で、現実と幻想が交錯していくミステリアスなサスペンス・ドラマ。監督は『8人の女たち』(2002)のフランソワ・オゾン。女流作家を演じるのは、同監督の『まぼろし』(2000)にも主演した往年の名女優シャーロット・ランプリング。相手役の若い女性には、これも同監督の『焼け石に水』(2000)に出演したリュディヴィーヌ・サニエ。二人とも個性的な魅力を持った女性です。

警視ものの人気シリーズを抱えるものの、創作活動に行き詰まっていたイギリスの女流ミステリー作家サラ。ある日、出版社の社長ジョンの勧めで南仏の彼の別荘を訪れる。そこは明るく静かで、誰にも邪魔されずに執筆できる最適な場所だった。サラはジョンが後から来るのを期待しつつ、執筆活動を進めていたが、別荘にやってきたのはジョンではなく、ジョンの娘ジュリー。ジュリーは裸でプールを泳ぎ、毎夜のように男を連れ込んでは嬌声をあげる。そんなジュリーに苛立ちを覚えるサラだったが、やがてジュリーの若さと奔放さに刺激を受け、いつしか彼女をモデルに物語を紡ぎ始めるが...という物語。

基本的には対照的な二人の女性が織り成すミステリアスな物語なのですが、最後の最後に大どんでん返しが待っています。現実と妄想の境目もあやふやに何とも不思議なオチ。ただ、監督ははっきりと結論付けてはいないので、見る側の考え方によってどのように受け取ることもできそうです。個人的には、すべて主人公の妄想だったと言ったところかなと思います。細かな謎解きや伏線を解き明かすのも楽しいですが、デヴィッド・リンチ的不条理な世界をのぞきつつ、ラストで見る側を襲ってくる”めまい”に身をゆだねるのもなかなか心地よいものです。
余談ですが、フランソワ・オゾン監督作品は嫌いではないものの、『まぼろし』でもそうでしたが、出演している女優を自分の好き勝手に操っている感じがどうも好きになれません...。

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