D-Movie(No.496)
・邦題:『SPUN スパン』
・原題:『SPUN』
・監督:ジョナス・アカーランド
・脚本:ウィル・デ・ロス・サントス他
・キャスト:ジェイソン・シュワルツマン、ミッキー・ローク他
・公開/制作:2002年/アメリカ、スウェーデン
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:102分
・評価:★★★

【 ストーリー 】
ドラッグを調達するため、なじみの売人を訪ねたロス(ジェイソン・シュワルツマン)だったが、トラブルからヤクを手に入れられず、居合わせた女・ニッキーに彼氏の麻薬密造人コック(ミッキー・ローク)を紹介される。ロスはボルボに乗っていたことから、なぜかニッキーやコックに運転手扱いされるが、ヤク欲しさに彼らとともに過ごすことになる...。

【 コメント 】
マドンナやU2などの大物ミュージシャンのPVを手がけた巨匠ジョナス・アカーランドの長編デビュー作。ボルボの車を持っていたことから、麻薬に群がるジャンキーたちに翻弄される青年の3日間を描いた物語。

冒頭から、なじみの売人役を演じるジョン・レグイザモがいい感じのキレっぷりを見せます。彼の家にいた、麻薬密造人の女・ニッキーを演じるブリタニー・マフィーも艶のある存在感。サイケデリックな色調とスピード感が、いかにも、という感じの映像で、息つくひまも無くたたみかけてきます。物語の中で重要な役割を演じる怪しい麻薬密造人をミッキー・ロークが熱演。無駄にでかい身体がこれまた圧倒的な存在感。他にも、『あの頃ペニー・レインと』(2000)のパトリック・フュジットが、まさかのゲームおたく役だったり、往年の名シンガー、デボラ・ハリーがレズビアン役だったり、とにかくエキセントリックなキャラクターにキャスティングが目白押し。さらには音楽を担当したスマッシング・パンプキンズのフロントマン、ビリー・コーガンもちょい役ながら出演する始末。ここまでくるとたいしたもんです。
LAに住むジャンキーたちの刹那的で非現実的な日常を描いていて、脚本的にはほとんど山場が無いですが、最後まで映像のインパクトと音楽の両輪で突っ走ります。
で、残念なのが、主役を演じたジェイソン・シュワルツマン。もともと「ファントム・プラネット」というロック・バンドのドラマーで、『天才マックスの世界』(1998)で映画デビューし、本作に出演するためにバンドを辞めたと言う変り種。その心意気やよし、なんですが、いかんせん印象に残りません。車のおかげで運転手として引っ張りまわされ、眠るのもままならない、そんな流されるままに生きるジャンキーの可笑しさや切なさが伝わってきません。周りのキャラクターがあまりに派手すぎたのでしょうか。残念。もちろん、音楽は使い方も選曲もさすがのセンス。PV感覚で見るのが楽しいかも。

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