D-Movie(No.655)

・邦題:『ソウル・キッチン』
・原題:『SOUL KITCHEN』
・監督:ファティ・アキン
・脚本:ファティ・アキン他
・キャスト:アダム・ボウスドウコス、モーリッツ・ブライブトロイ他
・制作:2009年/ドイツ、フランス、イタリア
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:99分
・評価:★★★★


【 コメント 】
さまざまな民族が集うハンブルクの大衆食堂を舞台に繰り広げられる、コメディタッチのヒューマンドラマ。監督は『愛より強く』(2004)、『そして、私たちは愛に帰る』(2007)などを手がけたファティ・アキン監督。主演は本作の脚本も担当したアダム・ボウスドウコス。彼が実際にハンブルクで経営し、ファティ・アキン監督も通い詰めていた料理店がアイデアのベースになっているそうです。

舞台はドイツのハンブルク。ギリシャ系移民の青年ジノスがオーナー・シェフを務める料理店“ソウル・キッチン”は、安い料理を求めて訪れる常連客ばかりの大衆向けレストラン。ジノスは何とか店をやりくりしていたが、突然、恋人が仕事で上海に赴任することになったり、税務署からは滞納分の督促を迫られたりとついていない。挙句にギックリ腰になる始末。そんな中、服役していた兄のイリアスが仮出所のためにレストランの従業員として働きたいと申し出る。ジノスは、渋々受け入れるが、イリアスが盗んだDJセットで音楽をかけると、店はまさかの大繁盛。すべてが順風満帆のように思えたが、この店の土地を狙う男が現れ...という物語。

とあるお店やレコードレーベル、コミュニティなどに集まる人々が繰り広げるコメディタッチのヒューマンドラマは、個人的に好きなジャンルなので、非常に楽しめました。ソウルミュージックがテーマになっているのもファンキーでいいですね。しっかりと笑える部分もありますし、エロチックなエピソードも多く、盛りだくさんといった感じです。また、ほんわか楽しいドラマのまま終わるパターンと、後半シリアスになるパターンと、大体二通りあるのですが、本作は基本的に前者。ちょっとご都合主義的な要素も顔を出しますが、最後まで安心して楽しめる内容だと思います。主役と思われたカップルがそのまま幸せにならないあたりは、ひねりも効いています。『es[エス]』(2001)の印象が強い俳優、モーリッツ・ブライブトロイが、ノリノリのDJを演じるのも面白いですし、流れ者シェフのキャラクターも存在感があります。ビール片手にのんびり見たい作品です。


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