ノンフィクション作家のエリソン・オズワルトは、10年前にベストセラーを手がけて以降はヒット作にも恵まれず、今ではローンの返済に追われる日々。そこで起死回生を期して、妻子と共にとある一軒家に引っ越すことに。その家は、かつて一家首吊り事件が起きた惨劇の現場。そして一家の末娘は今なお行方不明のまま。エリソンはこの怪事件をテーマに新作を執筆しようと考えていたのだ。もちろん、事件のことは家族には伝えずに。やがて、エリソンは屋根裏部屋で古びた映写機と数本の8ミリ・フィルムを発見する。中身を確認すると、そこにはおぞましい惨殺シーンが収められていた。エリソンは家族に内緒のまま、この不気味な映像に残された事件の調査を開始するのだが...という物語。
スランプ中のノンフィクション作家が、惨劇の舞台となった一軒家に引っ越したことから恐ろしい事件に巻き込まれる様を描いたホラー・サスペンス。8ミリ・フィルムに残された惨殺シーンの映像、おどろおどろしい心霊現象的描写など、正統派ホラーの演出満載。わざわざいわくつきの家に引っ越す設定や、主人公のあまりに強引な振る舞いは若干興ざめですが、イーサン・ホークの切羽詰まった演技もあってか、最後まで緊張感を保ったまま見られます。謎解きやエンディングにもうひとひねりあればさらに楽しめたかも。目新しさはありませんが、ホラー・サスペンスとして、しっかり怖い作品です。
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