ニューヨークで連続殺人が発生。被害者は全員男性で、全裸のまま殺され、現場には必ず“シー・オブ・ラブ”のレコードが残されていた。広告を見て近づいてきた行きずりの女に殺害されたと睨んだ市警のベテラン刑事フランクは、被害者がやっていたように、新聞の恋人募集の広告を出し、犯人への手掛かりを捜す。やがてヘレンというひとりの女が容疑者として浮かび上がるが、フランクは彼女に惹かれ交際するようになる。ところが、彼女の家のレコード棚でフランクは「シー・オブ・ラブ」のレコードを発見してしまう．．．という物語。

アル・パチーノが刑事を演じた名作『セルピコ』(1973)あたりと比べてしまうとかなり甘い内容ですし、刑事と言っても別れた妻に未練たらたらのちょっと駄目なキャラクターですが、それでもやっぱりかっこいいですね。相手役エレン・バーキンもものすごい美人ではないのですが魅力的。ハードさはありませんが、サスペンス要素と恋愛ドラマをうまく両立させていますし、ユーモラスな場面やどんでん返しもあって、しっかり最後まで楽しめる作品だと思います。警察の罠にハマった男として若き日のサミュエル・Ｌ・ジャクソンが登場するのが微笑ましいです。