No.11
タイトル
スクール・デイズ
(原題)
SCHOOL DAZE
監督
スパイク・リー
制作
1988年/アメリカ
ジャンル ドラマ
上映時間
120分
評価
★★★
<ストーリー>
舞台はアメリカ南部のミッション系大学。在校生のほとんどが黒人のこの学校で2つのグループが対立していた。1つは黒人としてのアイデンティティを説く”フェラ・クラブ”、もう一つは白人に憧れ、白人のように振る舞おうとする”ガンマーズ”。彼らはことあるごとにぶつかり、争ってきたが、ある日、フェラ・クラブのリーダーであるダップ(ラリー・フィッシュバーン)は従兄弟のハーフ(スパイク・リー)からガンマーズに入りたいという相談を持ちかけられる。当然、ダップは反対するがハーフは言うことを聞かず.........。


<コメント>
1985年の『シーズ・ガッタ・ハヴ・イット』が認められニューヨーク・インディーズ・シーンから颯爽と登場したスパイク・リーは黒人の黒人による黒人のための映画を撮り続ける監督。1992年には黒人解放運動のリーダーを題材にした『マルコムX』を撮りますが、黒人のアイデンティティ確立の問題はこの作品だけでなく、彼の全作品の根底に流れています。

今回の作品も設定がいかにも彼らしく、時にはコミカルに、時にはストレートに、時には皮肉たっぷりに黒人同士の対立を描いています。この流れはさらにグローバルな視点を得て、次作『ドウ・ザ・ライトシング』で大傑作として結実しますが、今回は同作品と比較するとちょっとスケール感に欠ける気はします。
それでも彼独特のシャープな映像は十分味わえますし(撮影は彼の作品のほとんどを手がけるアーネスト・R・ディッカーソン)、”笑える”と言う点ではこちらの方が盛りだくさんです。スパイク・リー自らが演じるおとぼけ学生のハーフがいい味出してます。
また、相変わらず音楽のセンスもよく、ミュージカルっぽいところも楽しめます。ラリー・フィッシュバーン、ジャンカルロ・エスポジートの2人はそれぞれアクの強いキャラクターをうまく演じています(久しぶりに今見ると”大学生”を演じるラリー・フィッシュバーンに違和感を感じずにはいられませんが...)。

しかし、何より重要なのはやっぱりラストシーンでしょう。これは本当に”目の覚める”1発です。ストレートといえばあまりにストレートですが、これがスパイク・リー監督の持ち味でもあると思います。これを初めて見たときの衝撃はいまだに忘れられません。

ちなみにまだ『ドウ・ザ・ライトシング』をご覧になってない方は、まず『スクール・デイズ』を先にご覧になることをお勧めします(残念ながら私は逆でした)。ラストが次作の冒頭につながるというちょっとした仕掛けもありますので......。

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送