D-Movie(No.807)

・邦題:『スキャナー・ダークリー』
・原題:『A SCANNER DARKLY』
・監督:リチャード・リンクレイター
・脚本:ピーター・フィラルディ
・キャスト:キアヌ・リーヴス、ロバート・ダウニー・Jr他
・制作:2006年/アメリカ
・ジャンル:サスペンス
・上映時間:100分
・評価:★★★★


近未来のアメリカ。そこでは“物質D”と呼ばれる強力なドラッグが蔓延していた。覆面麻薬捜査官のボブ・アークターは、物質Dの供給源を探るため自らジャンキーとなりドラッグの世界へと深く潜入していく。おとり捜査中は上司や同僚さえもその正体を知らなかった。しかしある時、ジャンキーとしてのボブが何者かに密告されたため、彼は自らを監視するハメになってしまう。やがて、ボブの中で捜査官とジャンキーという2つの人格が分裂を始め、次第に自らのアイデンティティを見失っていく...という物語。

SF作家フィリップ・K・ディックの『暗闇のスキャナー』をベースにした作品。実際の俳優が演じた映像データを基に、アニメーターがデジタル・ペインティングしていく“ロトスコープ”という映像技術を用いた独特の表現がポイント。この手法が、映画のストーリーと世界観にハマっています。自ら強力なドラッグに手を出し、“おとり捜査”を行う刑事の運命が、スタイリッシュに描かれているのですが、キャスティングもバッチリ、レディオヘッドの音楽も合っていて、最後まで飽きません。自分で自分を監視するというパラドックス的日常の中で精神崩壊していく主人公、ポップでありながら哲学的な深さも持った作品です。

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