D-Movie(No.523)

・邦題:『サルサ!』
・原題:『SALSA!』
・監督:ジョイス・シャルマン・ブニュエル
・脚本:ジョイス・シャルマン・ブニュエル
・キャスト: ヴァンサン・ルクール、クリスティアンヌ・グゥ他
・制作:1977年/フランス、スペイン
・ジャンル:恋愛ドラマ
・上映時間:100分
・評価:★★★


【 ストーリー 】
音楽院を首席で卒業、将来を嘱望されたレミ(ヴァンサン・ルクール)は、コンクールの本番中に突如キューバ音楽を演奏、自らピアニストとしての道を絶ってしまう。その後、キューバ人の友人から紹介されたキューバ人作曲家の家に居候。そのお店が閉めてしまうというので、レミは肌も褐色に塗って黒人に変身、サルサのダンス教室を始めるが...。

【 コメント 】
クラシック音楽を学び、音楽院を首席で卒業しながら、心からキューバ音楽に魅了されたフランス人青年の恋愛を描いたラヴストーリー。監督はジョイス・シャルマン・ブニュエル。脚本も自ら手がけています。新人俳優と思われるヴァンサン・ルクールが主人公となるキューバ人にあこがれるフランス人青年レミを熱演。黒人に憧れるあまり、肌をチョコレート色にしてファッションもそれっぽく決めるんですが、それが下手したらガエル・ガルシア・ベルナルかっというほどのハンサムぶり。逆にその印象が強すぎて、終盤、黒人のメイクを落とした途端、ちょっとがっかりするんですが(笑)。相手役のナタリを演じるクリスティアンヌ・グゥも非常にセクシー。ダンスも上手い。これ以外に長編映画の出演が無いようなのが残念です。

全編にサルサ音楽が流れていて、演出のテンポもよく、最初から最後まで”ノリ”がいい作品です。シエラ・マエストラの音楽がとにかくいい。終盤のストーリー展開はちょっと無理やりな感じもありますが、それでもサルサの情熱と色気がそのまま伝わってきます。人種問題もしっかりとサブテーマとして扱いながら、あえてその部分の台詞の数を抑えることで、逆に苦味が利いた雰囲気になりました。キューバ人の人柄、そして彼らが奏でる音楽には”明るさ”があり、そして常にその裏には”悲しみ”がつきまとう。それはすべての”明るさ”や”愛”に通じるのかもしれません。どんな事があっても日々をポジティブに生ききることのなんというたくましさ。”愛”ということについても考えさせられます。ストーリー的には、主役のフランス人青年レミがサルサのとりこになるくだりが少しあっても良かったかなと思いますが。何せ音楽院主席卒業という経歴を蹴ってまでの宗旨替え(?)ですから。
サルサの音楽を扱った映画を楽しみたいけれど、ヴィム・ベンダース監督の『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』(1999)はちょっとマニアック、という方にはオススメの作品。

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