舞台はあるアメリカの地方都市。高校生のラスティ・ジェームズ(マット・ディロン)は、授業をさぼり、ビリヤードのあるバーにたむろする不良学生。彼には、かつて街の不良グループのリーダーとして君臨していた”バイクボーイ”と呼ばれる兄(ミッキー・ローク)がおり、ラスティは兄のことを崇拝していた。しばらく街を離れていた”バイクボーイ”だったが、ラスティが敵対するチームのリーダーとケンカをしている最中に突然現れる。喜ぶラスティは、またチームを作り、ひと暴れしようと持ちかけるが、兄はすでにケンカに興味はなく、ラスティとも距離を取り始める。夢も希望もなく、色盲で色のない世界に生きている兄は、ただあてもなく街をさまよい始めるが...という物語。
『アウトサイダー』(1983)に続く、S・E・ヒントン原作、コッポラ監督映画。『アウトサイダー』にも出演したマット・ディロン、ダイアン・レインなど、当時の若手俳優が起用されています。兄を追う弟、違う世界を見る兄の微妙な人間関係や空気感を描いた、地味で暗いけれど、深いドラマ。兄を演じるミッキー・ロークがいいですね。生きたいように生きられない閉塞感と孤独がセリフや演技からにじみ出ています。誰かの希望であるだけでは生きていけない人間の切なさ。冗長なところもありますが、映像的な実験も奏功していると思います。元ポリスのドラマー、スチュワート・コープランドが担当した音楽が素晴らしい。
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