【 コメント 】
『天国の口、終りの楽園。』(2001)のコンビ、ガエル・ガルシア・ベルナルとディエゴ・ルナ主演の作品。監督は同作で脚本を手がけたカルロス・キュアロン。アルフォンソ・キュアロン、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、ギレルモ・デル・トロというメキシコ出身で世界的な名声を得た監督3名によって立ち上げられた製作会社の第1弾となる作品だそうです。監督のカルロス・キュアロンは、アルフォンソ・キュアロンの弟。
舞台はメキシコの片田舎のバナナ園。そこで働くのはサッカー選手を夢見る兄のベトと、ミュージシャンを夢見る弟のタト。二人は地元の草サッカーでゴールキーパーとストライカーとして活躍していた。そんなある日、2人はスカウトの目に留まるが「一人しか連れて行けない」との言葉に、PKで対決。勝負に勝った弟のタトはメキシコシティに招かれ、プロチームへの入団を果たす。やがてベトも、キーパーに欠員の出た別チームに入団。2人はそれぞれのチームで活躍、スター選手へとのし上がっていく。まさに夢を実現した二人だったが、弟は女で、兄はギャンブルでつまづき、やがて窮地に追い込まれ...という物語。
『天国の口、終りの楽園。』も好きな作品でしたが、本作もガエル・ガルシア・ベルナルとディエゴ・ルナのコンビが最高ですね。夢見る二人があっという間にスターダムにのし上がったり、どんなに窮地に陥ってもどこか能天気なところがメキシカン・コメディの特徴。二人が女性を奪い合うような甘さがないのは好感が持てますが、ストーリー的にほとんど先が見えてしまう驚きのなさも肩透かし。音楽も含めて楽しめる作品であることは間違いないのですが、純粋なコメディとしては笑いが少なく、ドラマとしての盛り上がりにも欠けるので、平凡な出来となってしまいました。成功を無駄にしても、悲壮感がほとんどありませんしね。ガエル・ガルシア・ベルナルのファンはミュージック・ビデオも見られますので、もちろん見て損はありません。
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