飛行機の中で音楽批評家のサルガードが隣の席に座っていた女性に話しかけると、彼女は「初恋の男が作曲家だった」と吐露する。興味を惹かれたサルガードが名前を聞くと、ガブリエル・パステルナークという男だとのこと。何と、偶然にもサルガードが過去にこき下ろしたことのある男だった。思わぬところで共通の知人が明らかになった二人が彼の思い出話をしていると、前の席に座っていた初老の女性レギサモンが、自分は小学校の教師をしていて、パステルナークは教え子だったと言い出す。やがて周りの乗客たちも、偶然にもパステルナークと関係があると話し始めるのだが...という物語。
不運の連鎖によって数奇な一日を過ごす6人の男女の姿を描いたブラック・コメディ。飛行機、レストラン、高速道路など、さまざまな舞台で繰り広げられるエピソードを綴った短編6作のオムニバスです。どれも誰もが遭遇するシチュエーションですが、さまざまな要素の連鎖により、予想を裏切る結末になるところが面白いです。ブラックな味付けは賛否分かれるかもしれませんが、キレの良い作品ばかりで、個人的には2時間があっという間でした。アルゼンチンでは『アナと雪の女王』を押さえて興行収入国内年間ランキング1位になるなど大ヒット。第87回アカデミー賞では外国語映画賞候補にもなりました。
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