1990年、ミネソタ州。ブルース・ケナー刑事は、17歳の娘アンジェラを暴行した疑いで父親のジョン・グレイを取り調べる。ジョンはあっさりと容疑を認めるものの、現場の状況に関しては記憶が曖昧で、ケナーはそれが腑に落ちない。結果、父親の供述に疑問を抱いた彼は、著名な心理学者ケネスの協力を仰ぎ、記憶を遡る退行療法によって事件当時の状況を探ろうと試みる。だが事件の真実に迫るにつれ、ケナーはこの町に秘められた巨大な闇に飲み込まれていく．．．という物語。

『アザーズ』(2001)で世界を欺いたアレハンドロ・アメナーバル監督が、イーサン・ホークとエマ・ワトソンを主演にしたホラー・サスペンス。ミネソタ州の小さな町で起こった殺人事件の捜査中、悪魔崇拝者の影に追い詰められていく刑事の奮闘を描いた作品です。「退行催眠」や「刷り込みの記憶」などがモチーフになっているところがポイント。主演二人の演技は悪くないんですが、”悪魔崇拝”の世界観のおどろおどろしさにちょっと欠ける気がしました。なので、イーサン・ホークもどこか空回り。実話から着想を得たらしいけれど、今ひとつ入り込めませんでした。ホラー作品というよりも、社会派のサスペンス・ドラマとして見た方がいいのかも。