【 ストーリー 】
2050年。地球は環境汚染によって破壊され、人類の希望は新天地・火星に委ねられていた。だが大量の藻を送り込み、酸素を発生させるという火星地球化計画はデータ送信の不通という結果となった。原因を調査すべく科学者グループが火星に向かうが、途中、太陽フレアの影響で宇宙船は大きなダメージを受けてしまう...。
【 コメント 】
舞台は2050年。地球は環境汚染によって破壊され、人類は火星を新天地とすべく、火星地球化計画を進めるが、データ送信が不通となる。原因を探るべく優秀な科学者グループが火星に向かうが、そこでさまざまなトラブルや未知の敵と遭遇する、という物語。
監督はナイキやマルボロのCMを手がけて有名になったアントニー・ホフマン。出演する俳優はヴァル・キルマー、キャリー=アン・モス、トム・サイズモア、テレンス・スタンプとなかなかクセのあるキャスティング。 CMやミュージックビデオが話題になって映画監督に起用されるというパターンはよくあります。本作もそうで、アントニー・ホフマン監督はこれが長編映画デビュー作。なので、火星のシーンや、登場するロボットなど、どれも映像的には美しいです。火星を舞台にした映画はたくさんありますが、CGシーンなどはさすがにある程度時代を感じさせるものの、かなり素晴らしい部類ではないでしょうか。
序盤から地球が破壊された様子などはほとんど描写されず、あっという間に火星にたどり着くあたりはよくも悪くもCMのノリ。このあたりをじっくり描写するとものすごく長い作品になってしまいますから好き嫌いは分かれるかもしれません。登場人物の背景や心理面なども深くというより、ちょっとなぞっている感じ。
テレンス・スタンプが哲学者的な発言をし、映画の主題が科学と哲学の対立であるような雰囲気を漂わせますが、残念ながら最後までこの主題は不発。搭乗員同士のラブロマンスも唐突でロマンチックさはほとんどありません。ロボットの反乱や攻撃も意味がよくわかりませんし、藻の存在や昆虫の出現も場当たり的で緊張感が無く、火星である必然性も物語が進むに連れてどんどん薄れていきます。途中でがけから落ちて死んでしまった搭乗員が生き返ってくるのではないかと違うう意味でハラハラしましたが、さすがにそれはありませんでした(笑)。
映像が美しいだけにちょっと残念な作品。
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