D-Movie(No.542)

・邦題:『Ray/レイ』
・原題:『RAY』
・監督:テイラー・ハックフォード
・脚本:ジェームズ・L・ホワイト
・キャスト:ジェイミー・フォックス、ケリー・ワシントン他
・制作:2004年/アメリカ
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:152分
・評価:★★★★


【 ストーリー 】
ジョージア州で生まれ、フロリダ州のセントオーガスティンで育ったレイ・チャールズ・ロビンソン(ジェイミー・フォックス)。幼い頃に弟が溺死、さらに自身も7歳のときに緑内障で視力を失ってしまう。それでも厳しい母親の元、音楽の才能を見出されたレイは、バンドと共にツアーに出るようになり、”盲目の天才”とまで称されるようになるが、同時に麻薬にも手を染めてしまう ...。

【 コメント 】
数々の名曲・名演を残し、2004年に亡くなった盲目の天才ミュージシャン、レイ・チャールズの伝記映画。レイ・チャールズの生い立ちから始まり、麻薬で苦しみを味わいながらも精力的に音楽活動を続けた人生が、素晴らしい音楽と共に再現されています。監督は『愛と青春の旅だち』(1982)、『カリブの熱い夜』(1984)などを手がけたテイラー・ハックフォード。レイ・チャールズを演じるのは、自身3歳からピアノを習っていたというジェイミー・フォックス。見た目の雰囲気はもちろん、熱気あふれる演奏の様子まで(ピアノの演奏は吹き替え無しとのこと)、神様レイを完璧に再現しています。
こういった実在の人物の伝記ものでは、どうしても似ている・似ていないも含めて、主役の演技力が通常の映画より問われてしまう気がします。本作はそういう意味ではジェイミー・フォックスは素晴らしいですね。

伝記ドラマとしてはお手本のような作りで、弟との死別というトラウマ、盲目というハンデ、成功と挫折、ドラッグ漬けの日々、女性関係などなど、波乱万丈の人生が一通り網羅されていると思います。それでいて演奏シーンもたっぷりあって、純粋に音楽を楽しめるところもこういう映画らしく好感が持てます。ただ、盛り込まれている要素が多すぎて、トラウマにしても女性関係にしても、それぞれのエピソードの描き方が手薄になってしまったのか、ただ単に時系列に羅列されている感じがしないでもありません。焦点が絞りきれていない気がします。それでもレイ・チャールズを知っている人はもちろん、知らない人にも一人の偉大なミュージシャンの生き様として見ごたえのあるドラマとなっています。

レイ・チャールズ本人もこの映画の製作に深く関わってきたそうですが、惜しくも映画の完成を待たずして他界してしまいました。本人が見たらどのような感想を残したんでしょうね。ちなみに2004年のアカデミー賞では、5部門にノミネートされ、ジェイミー・フォックスの主演男優賞と音響賞の2つを受賞しました。

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