D-Movie(No.629)

・邦題:『プライマー』
・原題:『PRIMER』
・監督:シェーン・カルース
・脚本:シェーン・カルース
・キャスト:シェーン・カルース、デヴィッド・サリヴァン他
・制作:2004年/アメリカ
・ジャンル:SFドラマ
・上映時間:77分
・評価:★★★★


【 コメント 】
エンジニア出身の新人シェーン・カルースが監督・脚本を手がけ、さらに自ら主演まで務めた作品。低予算ながら2004年度のサンダンス映画祭でカルト的人気を集め審査員大賞を受賞したSF+サスペンスドラマ。

アメリカのとある郊外の街。自宅のガレージでオフタイムを利用して、一儲けをもくろみ、研究開発に勤しむエンジニアのアーロンとその友人エイブ。ある時エイブが超伝導を利用した画期的なアイデアを思いつき、その装置の開発に乗り出した2人は、思いがけず小さな箱の中に時空の歪みを生じるワームホールを作りだしてしまう。その箱を人が入れるほどの大きさに作り変えた二人はタイムトラベルに成功、とりあえず過去に戻って株で大儲けをする。タイムトラベルを行うにあたって、タブーである”過去の自分との遭遇”を避けていた二人だったが、それぞれの思惑から事態は思わぬ方向に動き出す...という物語。

SF映画にはよく登場する”タイムトラベル”を扱った作品ですが、偶然生み出されたタイムマシンによって、主人公たちがさまざまなトラブルやアクションを体験する...ような内容ではありません。かなりの異色作。とりあえずはタイムトラベルによって大儲けするのですが、過去の自分に会ったり、コンタクトすること自体を”タブー”とするところが事件の発端とも言え、そのあたりはエンジニア出身の監督らしい展開、といえるかもしれません。
途中までは時系列で物語を見ていると思っていても、途中から時制も崩れだし、何かパズルを見ているような感覚になります。1回見ただけですべてを把握するのは非常に難しく、所見では正直分けがわかりませんでした。しかしながら、タイムトラベルを繰り返すことで、さまざまな時間の自分や相手が存在し、それらが交われば交わるほどひずみがおき、疑心暗鬼に陥る。明確にストーリーはわからないまでも、そういった種類の怖さはしっかりと伝わってきました。賛否分かれると思いますが、『メメント』(2000)、『バタフライ・エフェクト』(2004)あたりがお好きな方にはおススメ。

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