フランス、パリ。国語教師のジュリアンと出版社に務めるリザは、幼い一人息子オスカルと共に平穏で幸せな毎日を送っていた。ところが、ある朝、突然警察が押し入り、リザがいきなり逮捕されてしまう。容疑はなんと殺人。裁判で必死に無実を主張するリザだったが、彼女に不利な証拠が次々と示され、判決は無情にも20年の禁固刑に。どんな状況でも妻を信じる心と彼女への深く強い愛情が揺らぐことのないジュリアンは、衰弱し、精神的にも不安定になっていくリザを前に、ついに脱獄という最終手段を決意するが...という物語。
無実の罪をきせられた家族を救う、サスペンスとしてはよくあるシチュエーション。ただ、こういった物語にはめずらしく、選んだのは容疑を晴らすという解決策ではなく、脱獄。これがスリリング。普通の人間にここまでできるだろうかというリアリティはさておき、違法な行為もいとわず、愛する妻のためにすべてを捧げる夫の命を懸けた救出劇が感動的。ラッセル・クロウ主演で『スリーデイズ』(2010)として ハリウッドでリメイクされましたが、そちらはもう少し内容がこってりしていて、見比べるのも面白いと思います。
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