D-Movie(No.668)

・邦題:『PLASTIC CITY プラスティック・シティ』
・原題:『PLASTIC CITY』
・監督:ユー・リクウァイ
・脚本:ユー・リクウァイ他
・キャスト:オダギリジョー、アンソニー・ウォン他
・制作:2008年/中国、ブラジル、日本、香港
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:95分
・評価:★★


【 コメント 】
監督&脚本を手がけた『天上の恋歌』(2000)で世界的な評価を得たユー・リクウァイ監督作品。ブラジルのアジア系移民街を舞台にしたクライム・ドラマ。主人公のキリンを演じるのはオダギリジョー。彼を育て上げた裏社会の顔役にはアンソニー・ウォンがキャスティングされています。

幼い頃にアマゾンのジャングルでアジア系ブラジル人のユダに拾われ、育てられた日系ブラジル人のキリン。ユダを父親のように慕い、彼の右腕としてショッピングモールの闇家業を取り仕切っていた。そんな中、裏社会を仕切るユダの失脚を狙う勢力が台頭、ユダは罠にハメられ投獄されてしまう。刑務所の中でも命を狙われるユダ。彼を救い出すため、キリンは自らの危険を顧みず、激しい抗争の中に身を投じていく...という物語。

冒頭からとにかく映像の美しさに圧倒されます。全体的にフィルターを使っているのか、何らかの後処理を施しているのか、コントラストが強くメリハリの効いたビビッドなカラーの映像で、非現実的で妖しい世界観が表現されています。そんな虚飾と欲望が渦巻く世界の中で、深い絆でつながったキリンとユダ。裏社会のトップに立ったがゆえに、対抗勢力によって破滅の道へ追いやられます。冒頭、アジア人の縫製の良さを謳う台詞が登場しますが、ここでは、誰も信用出来ない裏の世界の中で、一筋の輝きを放つアジア系の絆の強さに焦点が当てられているように思います。ただ、オダギリジョーもアンソニー・ウォンも、ハンサムでクールな佇まい&演技が裏目に出たのか、ヒリヒリとした緊張感や破滅に向かうカタルシスのようなものはあまり伝わってきませんでした。やっぱりオダギリジョーはもう少しおとなしい役が似合っていると思います。アクションシーンも見所のひとつですが、映像にこだわりすぎた感が強すぎて、今ひとつ感情移入できませんでした。ラストのあまりに詩的な表現も賛否分かれるところだと思います。映像が美しいだけに惜しい作品です。

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