【 コメント 】
南カリフォルニアのオレンジ郡に住む高校生ショーン(コリン・ハンクス)。仲間と一緒にサーフィンに明け暮れ、高校生らしく楽しく過ごしていたが、ある日砂浜で見つけたのが、著名な作家マーカス・スキナーの小説。50回以上読み直して、感銘を受けたショーンは作家になることを心に決める。そのためにマーカス・スキナーが教鞭を執るスタンフォード大学への進学を希望するが、とんでもない手違いで入学は却下。それでも何とかスタンフォード大に入学しようとあの手この手を使うものの、変人ばかりの家族のせいで、入学どころかトラブルに巻き込まれて大変な目に...という物語。
コリン・ハンクスはアメリカではTVシリーズなどによく出演しているようですが、日本ではあまりなじみがありませんね。本作も日本未公開です。アメリカでも”主役”をはることはあまり無いのか、彼の存在を補うかのように豪華な俳優陣が脇を固めています。
まず、ショーンの兄を演じるのがジャック・ブラック。もうこの安定感は素晴らしいです。物語的にはショーン以外の家族が破滅的、というのが重要な設定になっていますので、まさに彼ははずせません。他にも父親役にジョン・リスゴー、教授役にチェヴィー・チェイス。それからベン・スティラー、ケヴィン・クラインと面白いキャスティング。
青春ドラマらしく、ロックの楽曲をたくさん使用しているところも見所。オフスプリング、レッド・ホット・チリ・ペッパーズなど、有名どころがラインナップされているものの、選曲は渋いところをついているのもナイス。
恋人か仕事か、都会に行くか残るか、主人公が二者択一を迫られる映画はたくさんあります。本作のショーンも紆余曲折があった末にその決断を迫られます。家族の絆、人の絆の大切さを、笑いでしっかり包んだハートフル・コメディ。これで主役がコリン・ハンクスじゃなければなあ、というのが残念ながら正直な感想ですが、最後はしっかりと感動できる秀作です。
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