D-Movie(No.520)

・邦題:『ONE LOVE ワン・ラブ』
・原題:『ONE LOVE』
・監督:ドン・レッツ
・脚本:トレヴァー・D・ローヌ
・キャスト:キマーニ・マーリィ、シェリーヌ・アンダーソン他
・制作:2003年/ジャマイカ/ノルウェー/イギリス
・ジャンル:恋愛ドラマ
・上映時間:100分
・評価:★★★


【 ストーリー 】
ジャマイカのキングストン郊外。音楽を愛するラスタファリアンの青年カッサ(キマーニ・マーリー)は、仲間たちと組んだバンドで音楽コンテストに出場すべく練習に励んでいた。そんなある日、ゴスペル・シンガーのセリーナ(シェリーヌ・アンダーソン)の歌声に魅了される。今のバンドのボーカルの女性に満足できないカッサは、セリーナをバンドに誘うが、クリスチャンであるがゆえにラスタの曲は歌えないと拒否される...。

【 コメント 】
お互いが信じる宗教の違いがありながら、運命の相手として結ばれたいと願うラスタファリアンの青年カッサとクリスチャンの少女セリーナが繰り広げる恋愛物語。ドキュメンタリー『パンク・ロック・ムービー』(1978)を撮ったドン・レッツ監督に、脚本はラスタ映画の金字塔『ハーダー・ゼイ・カム』(1973)を手がけたトレヴァー・D・ローヌ。さらに主人公のカッサを演じるのは、ボブ・マーリーの息子でミュージシャンのキマーニ・マーリー、セリーナを演じるのも女優兼シンガーとして活躍するシェリーヌ・アンダーソン。何ともワクワクする顔ぶれです。

お互いの宗教の信仰者や集会の雰囲気などが鮮烈に描かれており、我々日本人にはなかなか強烈な印象です。それぞれの場所で流れる音楽、ゴスペルとレゲエも圧倒的。まさに音楽は祈りであり魂そのもの。異なる宗教であってもその純粋さの本質は同じように思われます。
どちらかというとラスタを中心に描いているように見えますが、クリスチャンのセリーナの父親が陥る悩みや困惑も、信仰を持つ人間に共通のものではないでしょうか。
『ハーダー・ゼイ・カム』あたりと比べると、ストーリー的にはまっとうな恋愛ものとしても受け取れます。周辺の登場人物もコミカルなキャラクターが多く、のんびりおおらかな感じがジャマイカ映画っぽくてマル。トラブルの解決に、呪術的な要素が入り込んでくるあたりの独特のスパイシーさも楽しいです。このあたりは”ノリ”で作った感じなので、賛否は分かれると思いますが。主役の二人はミュージシャンであり、さすがに音楽の場面は興奮します。特にキマーニ・マーリーは吹き替えではないと思いますが、ボブ・マーリーそっくり。ファンはこれだけでも見る価値があると思います。その反面、二人の演技に関しては、ご愛嬌といった感じで、そこが残念と言えば残念。もっとたっぷりキマーニ・マーリーのライブシーンを見たかった気もします。

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送