D-Movie(No.649)

・邦題:『美しい人』
・原題:『NINE LIVES』
・監督:ロドリゴ・ガルシア
・脚本:ロドリゴ・ガルシア
・キャスト:キャシー・ベイカー、エイミー・ブレネマン他
・制作:2005年/アメリカ
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:114分
・評価:★★★


【 コメント 】
『彼女の恋からわかること』(2002)、『彼女を見ればわかること』(1999) のロドリゴ・ガルシア監督による女性たちを主人公にしたオムニバス映画。製作総指揮は『バベル』(2006)のアレハンドロ・イニャリトゥ。

原題は”NINE LIVES ”なので、邦題はあまり気にし無い方がいいかも(笑)。内容的には、さまざまな性格・境遇の女性が主人公の9つのショートストーリーで構成されています。例えば一番最初に登場するのは刑務所に服役中のサンドラ。一刻も早くこの状況から脱するために、彼女は模範囚となるべく努力していたが、唯一の希望であった娘との面会の時間に、機械がトラブルを起こしてしまい、彼女の思惑も感情もコントロール不能になる...という物語。他にも、スーパーで偶然昔の恋人に出会ってしまったダイアナ、命を危険にさらすような手術を目前にしたカミールなどなど、主人公の立場、物語のテーマもいろいろです。それぞれの物語はつながりがあるわけではありませんが、同じ人物が登場する物語もいくつかあります。

最も特徴的なのは、いずれも基本的にワンカット・ワンシーンで撮られていること。それによって、内容に関わらず、どの物語も緊張感が漂っています。その緊張感は、そのまま女性の感情や人生そのものの不確実性につながっているかのようです。

幸せになる女性もいれば、そうでない女性もいます。大きな出来事があるものもあれば、ただ淡々とした描写だけのものもあります。見る人によって、9人のうちの誰かには感情移入するでしょうし、言動や行動が理解できない場合もあるでしょう。すべては見る側にゆだねられているかのようです。それでも、ロドリゴ・ガルシア監督がお墓参りにやってきたマギーの物語を最後に持ってきたのは大きな意味があると思います。命を授かるということ、無くすということ。大きな喜びと悲しみ。そしてそれらの事象や感情に関わらず、私たちの人生は明日に続いていくと言うこと。この余韻には切なさだけでなく、やはり希望が込められているのではないでしょうか。

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