アイダホ州の辺鄙な田舎町に、引きこもりの兄キップ、オフロードバイクが趣味の祖母と３人で暮らしているナポレオン・ダイナマイト。その大仰な名前とは裏腹に、見るからに冴えない高校生。車もないため、小学生が主な乗客であるスクールバスで高校へ通っては、変わり者としていつも周囲に馬鹿にされている。さらに祖母がバイク事故に遭って入院、昔、アメフトでレギュラーに選ばれなかったことを未だに未練がましく語る叔父のリコが、保護者代わりとして家にやってくる。一方、学校では地味な女の子デビーやメキシコ系移民の転校生ペドロと友達になる。ある日、ペドロが生徒会長選挙に立候補すると言い出す。ナポレオンとデビーは、なんとかペドロを当選させようと奔走するが．．という物語。

もともと『バス男』の邦題で販売されていた作品（のちに改題）。製作費40万ドルの超低予算作品ながら、3400万ドルの興行収入を記録。基本的にイケてない高校生の青春ドラマなんですが、主人公たちに必要以上に卑屈なところがなく、いじめる方もしつこくないので、全編通して楽しく見られます。この独特の間とユーモアにあふれたオフビートな雰囲気は、もしモノクロだったらジム・ジャームッシュっぽくなるんじゃないかと思うぐらい。突然覚醒したかのようなナポレオンのダンスシーンも必見ですが、オープニングタイトルもめちゃくちゃかっこいいです。