D-Movie(No.533)

・邦題:『モーツァルトとクジラ』
・原題:『MOZART AND THE WHALE』
・監督:ペッター・ネス
・脚本:ロン・バス
・キャスト:ジョシュ・ハートネット、ラダ・ミッチェル他
・制作:2004年/アメリカ
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:94分
・評価:★★★


【 ストーリー 】
アスペルガー症候群という病気のために平穏な日常生活を送ることができないドナルド(ジョシュ・ハートネット)は、同じ障害を持つ仲間たちが集まる集会を主催。その集まりの中でイザベル(ラダ・ミッチェル)と出会う。お互いに惹かれあった二人は恋に落ちるが、相手を愛する気持ちを上手く表現できない二人は互いを傷つけ合ってしまう...。

【 コメント 】
発達障害の一種であるアスペルガー症候群のために、お互いの気持ちを思うように相手に伝えられないに男女ふたりが織り成すラブストーリー。主演は『パール・ハーバー』(2001)などに出演した若手の人気俳優ジョシュ・ハートネットと『フォーン・ブース』(2002)などに出演したラダ・ミッチェル。脚本を手がけたのはは『レインマン』(1988)でオスカー脚本賞を受賞したロナルド・バス。監督はノルウェー出身のペター・ネス。

ジョシュ・ハートネット演じるドナルドは、アスペルガー症候群のために数字に以上に執着してしまい、普通の日常生活を送る事が出来ません。タクシーの運転手の仕事も、数字や地図が頭に浮かんでしまい事故を起こす始末。それでも同じ病気を持つ人たちの集まりを主催するなど、普通の生活を送るべく懸命に生きています。一方で、ドナルドの前に現れたラダ・ミッチェル演じるイザベルは、自分の障害やそれによって起こったトラウマを自分なりに受け入れ、ある種奔放に生きています。二人はどちらからとなく惹かれあい、恋に落ちます。しかしながら、お互いに時と場合によって自制が効かなくなり、また自分の気持ちを思うように伝える事が出来ず、結果的に二人の仲もすれ違ってしまいます。
映画では、病気によって引き起こされる状況そのものを問題にするのではなく、普通であろうとするドナルドと、病気を覆い隠さないイザベルとの考え方の違いによって生まれるコミュニケーション不全に焦点を当てているところがリアルでまた切なくもあります。
コミュニケーションや人間関係における悩みは病気の有無に関わらず誰にでも存在します。二人がその悩みと自分たちの気持ちに真っ直ぐ向き合い、苦しみながらもその困難を乗り越えていくプロセスには、静かながらしっかりとした強さと優しさが伝わってきます。

途中、ミュージカル的に楽曲が流れるのは個人的に微妙な気がしますが、ある種の軽さは演出されていると思います。ジョシュ・ハートネットの穏やかな演技も見所の秀作。

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