D-Movie(No.702)

・邦題:『さよなら、僕らの夏』
・原題:『MEAN CREEK』
・監督:ヤコブ・アーロン・エステス
・脚本:ヤコブ・アーロン・エステス
・キャスト:ロリー・カルキン、トレヴァー・モーガン他
・制作:2004年/アメリカ
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:90分
・評価:★★★★


【 コメント 】
思春期の少年たちの純粋さと残酷さを瑞々しい映像で描き出した青春ドラマ。主演は『ホーム・アローン』シリーズでおなじみマコーレー・カルキンの弟ロリー・カルキン。どこか似ています。監督はこれが長編デビュー作となるヤコブ・アーロン・エステス。脚本も手がけています。

舞台はオレゴン州の小さな町。内気で心優しい少年サムは、自分より体格がよく、すぐにキレる同級生ジョージの理不尽ないじめに悩んでいた。そんな弟を心配した兄のロッキーは、ジョージを懲らしめるためにとある計画を思い立つ。サムの誕生祝いと偽り、ジョージをボートでの川下りに誘い出し、彼を川に突き落として笑い者にするというもの。そうとも知らず、サムへのプレゼントを手にサムたちと合流したジョージ。復讐のために着々と計画を進めるサムとロッキーだったが、意外に人懐っこく優しいジョージの態度に戸惑い、計画の実行をためらい始めるが...という物語。

いじめっ子と、いじめられっ子。彼らの間に生じた衝突と理解。子供たちが主体のドラマですが、心理描写が巧みでなかなか見ごたえがあります。ストーリーは構造的には単純なんですが、登場人物それぞれが家庭環境などを背景にした、思春期特有の悩みや不安を抱えていて、内容的には複雑で深いです。ここに登場する子供たちは、一見、嫌なやつでも、どこか純粋で親しみやすいところがありますし、またその逆もあります。そういう感情や性格の不安定さが、まさに彼らが抱える心の揺れや迷いそのものを表現しているように思います。映像も美しいですし、主人公と女の子の恋愛も加わっているので、切なくも懐かしい青春ドラマかと思いきや、残念ながらかなりダークな展開となります。そして彼らがどんな状況でも、やはり正しい判断ができるわけではないところもリアリティがあります。決して後味のよいドラマではありませんが、誰の心にも潜む闇のようなものに気づかされる作品であると思います。

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