D-Movie(No.606)

・邦題:『マラノーチェ』
・原題:『MALA NOCHE』
・監督:ガス・ヴァン・サント
・脚本:ガス・ヴァン・サント、ウォルト・カーティス
・キャスト:ティム・ストリーター、ダグ・クーヤティ 他
・制作:1985年/アメリカ
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:78分
・評価:★★★


【 コメント 】
『エレファント』(2003)や『ラストデイズ』(2005)などの作品で知られるガス・ヴァン・サント監督が1985年に製作した幻の長編監督デビュー作(日本では2007年に劇場公開)。彼のホームタウンでもあるオレゴン州ポートランドを舞台に、地元出身の詩人ウォルト・カーティスの自伝的小説を映画化。
オレゴン州ポートランドの食料品店で働くウォルト。ある日、彼の店にメキシコからの不法移民の青年ジョニーが現われた。ゲイであるウォルトはジョニーに一目ぼれするが、スペイン語しか理解できないジョニーとはまともにコミュニケーションがとれず、いきなり家に誘って嫌われる始末。何とかものにしようとウォルトは毎日のようにジョニーにアプローチするが、やがて、ジョニーは突然街からいなくなってしまう...という物語。

若者の生き急ぐ魂の放浪を描いた作品というと、ジム・ジャームッシュの初期作品『パーマネント・バケーション』を思い浮かべますし、さらにモノクロ映像となるとやはりジャームッシュの『ストレンジャー・ザン・パラダイス』が浮かびます。その後の作品は二人とも違う方向に進んでいる気がしますが、ジャームッシュのように良い意味で詩的にならず脱力しないところがガス・ヴァン・サント監督の魅力ではないかと思います。ジョニーの友人ロベルトが警官に追われるところはスリリングですし、3人でドライブするくだりはドキュメンタリーのようです。ウォルトとジョニーの関係も結ばれるようで結ばれない。あえて起伏を避けたような展開が希望のない”日常”を描いたことを実感させます。タイトルの”最悪の夜”(マラノーチェ)は主人公が自ら望んだ結果。どんなに希望を求めても訪れる結果は最悪。それでもそこで漂うしかない人間たちの人生。あからさまな反抗も感動も優しさもない、それがまさに日常であることがアメリカの問題をそのまま表現しているのではないでしょうか。ラストも若者たちの刹那の快楽に終わらず、緊張感を保ったままのところもかっこいい。

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