D-Movie(No.690)

・邦題:『マジック』
・原題:『MAGIC』
・監督:リチャード・アッテンボロー
・脚本:ウィリアム・ゴールドマン
・キャスト:アンソニー・ホプキンス、アン=マーグレット他
・制作:1978年/アメリカ
・ジャンル:サスペンス
・上映時間:107分
・評価:★★★★★


【 コメント 】
成功を夢見るマジシャンが腹話術にのめり込むあまり、腹話術の人形と同化していくサスペンス・ホラー。監督は俳優としても大スターであるリチャード・アッテンボロー。脚本は『明日に向って撃て!』などでアカデミー賞を受賞したウィリアム・ゴールドマン。主人公の手品師コーキーを演じるのはアンソニー・ホプキンス。まだ初々しさの残るアンソニー・ホプキンスですが、本作で同年の英国アカデミー賞主演男優賞にノミネートされました。

マジシャンとして成功を夢見るコーキー。ただ風貌も地味な彼のカードマジックでは、ショーの途中で客が退席してしまう始末。そこで彼はファッツという名前の人形を使った腹話術を取り入れる。自分では言えないような辛らつな台詞を人形にしゃべらせるスタイルが人気を博しテレビにも出演。さらに大きなチャンスをつかむことになる。しかしそこでマネージャーから健康診断を受けるよう強要された彼は、それを嫌がり、ついには逃げ出してしまう。かつての恋人である人妻ペギーを訪ね、ひと時の安らぎに身をゆだねるコーキーだったが、彼を心配したマネージャーが彼の居所を突き止めて追いかけてくる。やがて成功への夢と愛の狭間でコーキーに異変が生じてくる...という物語。

狂気の世界に足を踏み込んでいく手品師をアンソニー・ホプキンスが完璧に演じています。本作で披露されるマジックや腹話術はすべて彼が実際に演じているとのこと。さすが完璧主義者ですね。この腹話術が素晴らしいこともあって、人形ファッツが本当に生きているかのようです。そしてその顔の大きさ、見開いた目、怖いです...。カードのマジックがしっかり伏線になっているところも面白い。ラストに関しては、もっと悲惨な結末も可能だったと思いますが、このぐらいの落としどころが時代を感じさせていいですね。コーキーは腹話術にのめりこんでしまった手品師であって、決して殺人鬼ではありませんでしたから。いずれにしても悲しい話ですが。

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